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#聴いてみた ベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第2番

NHKFM[「音楽の泉」のを聞き逃し配信で聴いてみた。

曲目

ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品19
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) 、
マーラー・チェンバー・オーケストラ(管弦楽) 、
クラウディオ・アバド(指揮)
作曲: ベートーベン
(27分44秒)<ユニバーサル UCCG1200>
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バイオリン・ソナタ 第3番 変ホ長調 作品12第3から 第1楽章、
第3楽章
ギドン・クレーメル(バイオリン) 、 マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
作曲: ベートーベン
(11分45秒)<ポリドール F35G50095>
次もベートーヴェン、ヴァイオリンソナタ第3番からお送り致します。
先程のピアノ協奏曲第2番が最終的に完成した頃の作品です。
鍵盤のヴィルトゥオーゾ、華やかな技と音楽性を併せもつ名手として音楽の都ウイーンで喝采を博していたベートーヴェンは1797年か1798年、20代後半の時に3曲のヴァイオリンソナタを作曲します。
第1番第2番第3番ですね。
それらは作品12のソナタとして1799年にウィーンで出版されました。
古典派の時代、器楽作品は3曲セットでの出版が基本でした。
作品12の3曲のヴァイオリンソナタは儀礼的な献呈ではありましたが、20才年上のウイーンの宮廷楽長アントニオ・サリエリに献呈されています。
因みにベートーヴェンは一連のソナタを書いた後、サリエリから歌曲の作曲法を学んでいます。
これからお送りするソナタ第3番、古典派のフォルム、様式を守ってはいますが、そこはベートーヴェン、第1楽章では何度も繰り返される6連符のフレーズが斬新、 第3楽章では凝った転調の他、2重奏の枠組みを超えたかのような交響的な響きも聴こえてきます。

曲解説(奥田佳道先生解説からの抜粋)

🖊今朝はベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第2番をお送り致します。
第2番ですが実はベートーヴェンが最初に手掛けたピアノ協奏曲、 このコンチェルトは一旦出来上がった後4回も改訂され、ピアノ協奏曲第1番に続いて出版、それで第2番となりました。
古典の様式美と芸術的な覇気を併せ持つベートーヴェン青年時代の意欲作をご一緒致しましょう。
(♪~)第1楽章、オーケストラの序奏に導かれピアノが颯爽と始まったところを少し聴いて頂きました。
第1楽章はアレグロ・コン・ブリオ、生き生きと速くと記されています。
音楽の泉では良くお話ししておりますが、アレグロ・コン・ブリオはベートーヴェンが最も愛したイタリア語の速度、 表情語ですね。
先ほどこの協奏曲第2番は第1番より先に作曲が始まったというお話をしましたが、創作の背景を少しお話し致しましょう。
少年の頃から鍵盤の名手だった言われるベートーヴェンは 1786年、15才から16才の時に故郷ドイツのボンでピアノ協奏曲変ロ長調の作曲を始め、1790年頃に完成させています。 
それがピアノ協奏曲第2番の最初のヴァージョン、第一稿になります。
しかし、出来栄えに満足しなかった、当時の類型的な音楽ではなく、新たな道を切り開くべきだと思ったのでしょう、ベートーヴェンは改訂を始めます。
ベートーヴェンは1792年21才の時にワルトシュタイン伯爵の計らいもあって故郷ボンを離れ音楽の都ウィーンに拠点を移しますが、その翌年、1793年に 2度目の改訂を行い、その後もウイーンで 1798年まで改訂を行っています。改訂の回数は都合4回になります。
(♪~) 第3楽章ロンドが始まったところをお送り致しました。
これぞ音楽の歓びと言うフィナーレ、躍動感のあるピアノとオーケストラの対話も素敵ですね。
実はこのロンド、ベートーヴェンは苦心の末に編み出しています。 
1793年頃に書いたロンド、つまりウイーンに来たばかりの頃に書いたロンドを全面的に書き直し今の形にしたのでした。
曲は第1楽章アレグロ・コン・ブリオ、第2楽章 アダージョ、 第3楽章ロンド モルト・アレグロから成っています。
オーケストラの編成はフルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、そして弦楽です。
全くの偶然ではありますが、変ロ長調という調性、それにオーケストラの編成がモーツァルト最後のピアノ協奏曲第27番K.595と同じです。
この2曲に関係性はないのですが、いずれも貴族や有力者の邸宅、サロンでの演奏を想定しそれで控えめなオーケストラの編成になったと思われます。
今朝はこのコンチェルトをデビューの頃から得意としてきたマルタ・アルゲリッチのピアノでお送り致します。
彼女だけでいくつも録音がありますが、今朝は2000年にイタリアのフェラーラで録音されたDiscを選びました。
アルゲリッチ50才代後半の時の演奏です。

🖊 ベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第2番を聴いてみて

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番をマルタ・アルゲリッチのピアノで聴く。
音楽に生命の息吹を与えるとはこのことかと思う。
ただ単に技術があるだけではなく音楽を奏でる歓びがまるで無数の音符が花びらになって周囲に舞い降りるかのような実に素晴らしい演奏だったのである。


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