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日本酒の「生」表記の解説

こんにちは!耕す太郎です。


早速ですが、皆さんはご存知ですか?


「トゲハムシ」


昆虫です。

「ハムシ」は草食性の昆虫なのですが、そのハムシにトゲのある種類が発見されました。


そして、そのトゲハムシは「トゲトゲ」と呼ばれております。

そして今度は「トゲトゲ」の新種が発見されました。


「トゲトゲ」なのに、トゲのない「トゲトゲ」が発見されたのです。


付いた名前が「トゲナシトゲトゲ」


そして、そして今度は「トゲナシトゲトゲ」の新種が見つかります。


今度は「トゲナシトゲトゲ」なのにトゲがあるんです!!


はい!名前が付きます。




「トゲアリトゲナシトゲトゲ」




ああああ!



もう!!!


あるのかないのか、よく分からなくなってきます!!


トゲナシなのに、トゲがなくて、でもトゲがあって、結局トゲトゲで、、、。


何が何だか分からない。


ややこしいのは日本酒も一緒!!


はい!どん!


「生」じゃないのに「生」表記。


そう!


本日は日本酒の「生」表記のお話。


これがトゲアリトゲナシトゲトゲです。


「生酒」とは「火入れ」を一度も行っていない日本酒のことです。

「火入れ」とは絞り終わった日本酒に熱(60度程度)を入れる事です。

そしてなぜ「火入れ」を行うかというと、まずは有害な菌を殺傷するためです。

それともう一つは、酒の中にいる酵母菌などの活動を弱めるためです。

日本酒は生きています。

そのため、瓶などに詰めても酵母が活発に働き、味がどんどん変化していきます。

そうすると、作り手がベストのタイミングで絞った日本酒の意図が外れてしまうからです。

一般的な日本酒は2回の「火入れ」を行います。

まずは1回目ですが、絞った日本酒を貯蔵するタイミング。

続いて2回目のタイミングですが、瓶詰めした時です。

この火入れを一度も行っていない日本酒のみ「生酒」と呼ぶことが出来るのです。


そして、「生貯蔵酒」「生詰め酒」です。

両方とも「生」の表記があります。

しかし、火入れをするんです。

「生」なのに???

そうなんです。


1回目の火入れのみを行った日本酒を「生詰め酒」

絞った後に火入れし、品質をある程度落ち着かせてから、熟成させるためです。



そして2回目の火入れのみを行った日本酒を「生貯蔵酒」

「生」のまま貯蔵する。

貯蔵する期間の定義はないので、絞ってすぐに瓶に詰めて、一度、火入れして出荷すれば、それはもう「生貯蔵酒」というわけです。



「生酒」じゃないのに「生」表記。


少しややこしいですが、覚えておくと日本酒の色々な顔が見えてきます。


日本酒は生き物です。


冷蔵庫の中の日本酒ストックが減って来たので、そろそろ買い足したいと思っております。

それを察したお嫁ちゃんが「また買うの?」とトゲトゲし始めました。

でも、やっぱりストックは多いに超したことないし、色々な日本酒飲みたいし、、、。

しょんぼりしている僕に気付いて、お嫁ちゃんから「お散歩ついでに買いに行こうか」

なんだかんだで、優しいお嫁ちゃん。

トゲナシトゲトゲです。

僕はワクワクしながら日本酒を物色中。

かごの中にはたくさんの日本酒。

他の商品を見ていたお嫁ちゃんが僕のところにやってきました。

「なに?それ、全部買う気?」

トゲアリトゲナシトゲトゲです。

さらにお嫁ちゃんの怒りが絞り出て来ました。

「あのさ、前も言ったよね?」


たくさん買い過ぎな事。

単純に飲み過ぎな事。

お酒臭い事。

お金使い過ぎな事。

お嫁ちゃんの心のタンクに貯蔵しておいた、耕す太郎の数々の失態は、充分に熟成しております。

僕にとっては過去の出来事。

しかし、お嫁ちゃんにとっては鮮度抜群。

この僕への詰め方、、、、。

はい。これが、「生詰め」です。

早く2回目の火入れで落ち着かせて、、、、。

おしまい。


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