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妹がやってきた!

週末のこと。
妹が1泊2日でやってきた。
子どもたち3人を母と姉に預けての外出。
妹が上京したのは仕事のためでもあるけれど、
仕事は早々に切り上げて、
姉である私との久しぶりの姉妹時間を満喫した。

私は3姉妹の真ん中。妹とは1歳違い。
姉は自分を抜きにして下の妹たち(私と妹)が会うことに寛容ではないので、
姉には今回のことはないしょ。
妹は、母には正直に伝えて協力を仰いできた、と言う。

妹は気にしいで、天然ボケで、真面目。
3人のわが子を愛している。
感情の起伏が激しくわがままで威圧的で子供っぽい母親と、
社会性に欠け自己中心的で金遣いの荒いわがままな姉。
この性格に難ありの二人に日々振り回されながらも、シングルマザーのため姉と母の協力を仰ぎながら奮闘し生活している。

私は子どもを持たない人生をずっとイメージしていた。
自分のことで精一杯だと思っていた。
子どもを持ってしまったら、私は母から受けたことをそのまま子どもにしてしまうのではないかと恐ろしかった。
子どものために生きる自信がなかった。

妹は、私と全く違っていた。
自分が中心の温かい家族を作りたい、たくさんの子どもを授かりたい、と早いうちから話していた。

同じ両親と姉を持ち、高圧的で支配的で理不尽な仕打ちをたくさん私と共に受けて育ったのに、妹と私ではその点が大きく違っていた。
私は妹が大好きでたくさん尊敬している点があるが、一番はここ。
すごいなあ。強いなあ。
そう思っていた。
今も、そう思っている。

いかに凄いことなのかは、きっと多くの人にはわからないかもしれない。
それだけ、私には、きっと妹にとっても、あの頃はしんどかった。

妹はいつも眉間に皺を寄せている。
いつも自信がなさそうで、不安そうだ。
周囲のいろんなことに気を配り、気を遣い、たくさんのことを心配している。
私は、少しでも妹が抱えている不安や心配事が軽くなれば良いなと思っている。

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楽しい時間はあっっっという間に過ぎていく。
だから、たくさんのプランを考えて準備して当日を迎えた。
わくわくすることは、日々いろいろあるけれど、
ここ最近の最高潮のわくわくだった。間違いなく!

土曜日。東京駅に9時待ち合わせ。
「おしゃれで美味しいパンが食べたい!」
と希望があったのでいくつか提案。
妹はその中からル・プチメック 日比谷店 (Le Petitmec HIBIYA) - 有楽町 パン
を選択。

鯖サンドを食べて「なにこれ!美味しいねえ」と微笑む妹を見て、すごく幸せな気持ちになった。いちじくと胡桃のパンも、バケットサンドも欲張って少しずつ口へ運んでいた。その都度、にこにこと嬉しそうに食べる。
私はそれを見ながら、胸がいっぱいだった。

結局半分くらい食べられず、持ち帰り。美味しかった!
ル・プチメック、近所に欲しい。

食べながらその後のプランを提案。

映画を見に行った。

面白かった。クスッと笑えて、げんきになる豊かな人生の映画。

穏やかで暖かな邦画、井浦新、ミニシアター。
妹が好きなものを提案したら「私、そういうの好きだったよね」とぽつり。

「今、好きなものが良かった?他のもあるよ。どれにする?」と尋ねると
「ううん。いろいろ思い出しただけ。全然劇場で映画観てないから嬉しい。映画館で観るってどんな感じだっけ?って思ったらちょっと緊張してきた!」
と笑っていた。
映画を観た後、と良い顔で感想を話していて、私はホッとした。

遅いランチはシェイクシャックへ。
私はポテトを少し摘んだ。
妹は「お腹そこまで空いてない。でも、ハンバーガーすごーく美味しそう!」と言ってシュルームバーガーにかぶりついていた。
大きなキノコのフライと、チーズたっぷりサンドしたもの。
一口ごとに「おいっしい!」「やば!」「何これー!」を連発。
妹の眉間の皺は、言うまでもなく、すっかり消えていた。

いつでも美味しいシェイクシャック。
この日は格別だった。ポテトしか食べてないけど。

その後、新宿へ行ってお洋服を見たり、おしゃべりして満喫。
夕方、我が家へ。

夜はお気に入りの美味しいお店へ。
妹は久しぶりのお酒のようで、ゆっくり少しずつ味わっていた。

オレンジワインを飲む妹と私。
ズッキーニの肉詰め。
アボカドとタコのサラダ
とうもろこしご飯と、鯖と小松菜のご飯。
分けっこして食べた。

他にも鶏の唐揚げや焼き魚などいろいろ食べた。
妹が細い体でたくさん食べるのを見て、ものすごく嬉しかった。
泣きたくなった。

妹がまたポツリ。
「私、高校生の頃デイズ(イタリアンのお店)でバイトしてたよね。思い出した。好きだったなあ。こういうの」
こういう美味しいお店を食べ歩くのが好きだった、ということだった。
そうだった。妹は美味しいご飯を食べるのも、作るのも、お店を探すのも、大好きだった。

その日、妹は電池が切れたようにスッと寝た。深く寝ているようだった。
私はしばらく起きていて、ストレッチをしたり洗濯物を片付けたりしていたが、全く起きなかった。

翌日、母から不機嫌マックスの電話があり、ちょっとしたトラブルが起きて
ちょっと大変だった。
それでも、私と妹はとても楽しかった。「また必ず二人で会おうね」と言い合った。

私たちは大人になったのだから。母に支配されなくて良いのだから。
姉の機嫌を取り続ける必要なないのだから。

妹は「私が好きだったことを思い出した、取り戻した二日間だった」
「すごく楽しかった。私のたまの楽しみとして、また絶対来たい」と
笑顔で帰っていった。

人生は短い。
いつ終わるかわからない。
大袈裟じゃなくて、そう思う。
そして、楽しい時間は自分で作る。
作れる。
作ってやる!

さて。帰って夕飯を作ろう。
今日は豚汁。あとは、ほうれん草のおひたし。他には、適当に何かこしらえよう。
ほかほかごはんに豚汁はごちそうだ。

それではまた!




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