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弁護士×VCについて

「あ、弁護士さんなんですね」

今年一番私が聞いた言葉であろう。
外見上弁護士に見えないからなのか、ヘラヘラしているかなのか、どういったわけか、一度も
「やっぱり、弁護士さんだと思いました。」
とは言われない。

もっとも、私は弁護士かといわれると、法務知見があるキャピタリストというのが正解な気がする。

そんなこんなで私は何者であるのか、改めて自己紹介としてここに記しておきたいと思う 

とはいえ、普通に自己紹介をしてもこれを読んでいるあなたには刺激がないと思うため、

私はこの文章の中で2つだけ嘘を記す。

それを探ってほしい。


「なぜ弁護士に?」

今年二番目に聞かれたであろう質問、「なぜ、弁護士になったのか」

事の始まりは中学生にさかのぼる。
私の通っていた中学は、中高一貫校であり、ほぼすべての授業が科目ごとの成績順であった。さらにこの成績順のクラスは、年に4回、クラスの下位25%と上位25%が入れ替わる仕組みであった。

私は、1.5だった。

だいたい上から2番のクラスにいるときは1番上のクラスにあがり、1番上のクラスにいるときは、2番目に落ちる。まさに中の上といったところであろう。

人間というのは不思議なもので、自分の能力をなんとなく受け入れてしまいそれに合わせようとする。
つまり、私は中の上なんだという強い認識がうまれ、常に自分より優れた人がいるという現実に恐怖を覚えた。

受験勉強の際も自分は東大はいけないものだと勝手に判断をし、大阪大学に進学した。
ただ、私は受験が終わった時、この呪縛を自らの手で断ち切らなければならないと思った。
その自分の呪縛を断ち切るための試練、それが司法予備試験だったというわけである。

長い話になるので、割愛するが、司法試験よりも合格といった観点では司法予備試験の方が難しく、全体の合格率3%、東大生の合格率も10%程度なので、自分への挑戦としては適切であった。

重度の中二病を患っていた私は、予備校にも大学の授業にもいかず、たまにコスパよく勉強して、試験合格を目指したが、人生はそんなに甘いものでもない。

合格した要因を2つあげるのであれば、
一つとしては、再現性を意識した点であろう
大学受験時代、予備校のタイプだった先生が数学科の人であったため、毎日通いつめていたところ、数学に関しての偏差値が70を軽く超えた。
とはいえ、不純な動機であったための呪いとして、安定性がなかった。つまり解けるときはすべて解けるが解けない時は全く。
第一志望であった京大は、ぶっちぎりで受かるかぶっちぎりで落ちるかといわれあきらめた経験から、再現性にはこだわった。
そのため、司法予備試験の受験時は100回受けたら100回受かるように自分の中で明確なルールを作っていった。

試験中、俺がルール、俺が最高裁判官だ、と思いながら解いていたのは私だけであろう。


もう一つ目は当時付き合っていた、彼女の一言

「勉強している顔、かっこいい」

これにより、私は勉強時間が増えた。

予備試験に合格してみて思ったのは、呪縛なんてないということ。
誰しも自分の中に呪縛はあるのであろうが、そんなものは勝手に自分が作っただけであり、とはいえ、呪縛に打ち勝つためには挑戦が必要であるといったことであろう

以上のように私は弁護士になりたかったわけではなく、司法予備試験に合格したかったのであり、もともと弁護士を辞めるつもりではあった。

「なぜVCに?」

今年七番目くらいに聞かれたであろう質問、「なぜ、VCなのか」

これに関しては、成り行きといえる。

もともと、弁護士はやめるつもりで、より自由な職業、VCか起業家になろうとは考えており、
弁護士になり、10か月で弁護士事務所を辞めたあとは、個人でスタートアップ支援をしながら、スタートアップへの転職を考えていた。もちろん、法務ではなく、事業者サイドとして。

そんなとき、起業しろで有名なうちの代表が、ビジネスマッチングサイトで「私は文系の天才である」と記載していた私の自己紹介をみて連絡してくれた。

詳しい話は私のポッドキャストで語っているため、割愛するが、しいてなぜVCになったかというと、天才に会いたかったからといえる。

SkylandVenturesがちょうどWeb3に注力していくといっていたことに惹かれた。私自身、めちゃくちゃWeb3に詳しいわけではない。もっとも新しい分野に行きたかったという思いがあった。
新しい分野であればプレイヤーも少なく、より簡単にトッププレイヤー、さらに天才に会えると思ったからだ。

弁護士とVCについて

「数学とあなたの恋人の違いってなに??」
浮気相手にそう聞かれたとき、あなたはどのように回答するだろうか?

人によって答えは異なると思うが私なら以下のように答えるだろう
「数学には唯一の正解があり、恋人には唯一の正解がない」

弁護士とVCについての回答も同様で、弁護士には唯一の正解があり、VCは唯一の正解がない

弁護士というのは、法に基づきアドバイスを行う仕事であるがゆえ、基本的には10人弁護士がいれば回答は同じであることが多い(もちろん解釈の違いはあるものの合理的に判断する以上基本的には同じになる)

一方VCは10人いれば10人の意見が異なるケースが存在する。
そもそも投資しないとの意見、チームが良いから投資するとの意見、チームはいまいちだけど領域がよいから投資するとの意見、大学の後輩だから投資するとの意見・・
基本的に唯一の正解はなく、VCによって正解が異なる。
とはいえ、リターンを出さないといけないといった観点から自分なりの判断軸を持ち磨いていく、それがVCであるといえる。

以上から、ある種別のものであり、弁護士がVCをする際になにか役に立つかといわれれば、数学者が恋人探しをするケースを想像してもらえればわかると思う。

そう、役に・・・・・

VCとしての判断軸

では私の判断軸はなにか。

私は「凡人に才能を与えるものであるか」を判断軸として見ている。

YouTubeは、凡人がテレビをつくることを可能にした
TikTokは、YouTubeでは動画が作れないものに動画をつくることを可能にした。
noteは、凡人が自分のアイデアを多くの人に共有すること・他の人のノウハウを得ることを可能にした。

このように凡人に才能を与える事業は、大きな変革を与えるものであり、これまで才能があるものがしていた価値が移動することから市場も読みやすく、ビジネスとしても作りやすい。

そして、なにより私がわくわくする。

私はこの1つの判断軸を磨いていくつもりである。

これを読んだ人へ

  • 自分に対して、劣等感がある人→まずは来年予備試験に挑戦することを薦める。特に今ここを読んで無理と思った人は。

  • 唯一の正解に飽きた弁護士→まずは事務所を辞めることを薦める。辞めると収入がなくなるため、自然と行動的になり、自分なりの軸やら正解が見つかるようになる

  • 起業を志す者→凡人に才能を与える事業を作ってほしい。わくわくするアイデアを待っている。

本題

最後になってしまったが、このnoteの本題を書こうと思う。

この文章を読んで、私の嘘に気づいた人はいるだろうか?
多分、いないだろう。

これは私が嘘が上手いとかではなく、人間の人間に関する接し方に基づく。
私の人生で、私のすべての側面を見てきた人はいないであろう。

つまり、私に関してみてきた側面しか正誤判定できず、1つはわかったとしても、もう一つは判断できないのではないだろうか

それが嘘を1つではなく2つにした理由である

人間は、思っている以上に他人に無関心であり、その人がどういう人なのか、ある側面しかみれていないのではないか?
一方で他者に対しては、本当の自分はそうでないと誰しも思っているのではないだろうか?

人間は、自分に関しては弁護士的なアプローチ、つまり唯一の自分が存在すると思い、他者に対してはVC的なアプローチ、つまり自分の判断軸に沿って判断を行っている。

「自分には唯一の正解があって、他者には唯一の正解がない」

そういった意味では、人間だれしも、VCであり弁護士になる素質があるのだろう・・・・

さて、回答の時間である

あなたは私の嘘がわかったっだろうか?

いや、こう尋ねるべきだろう










あなたは私に興味があっただろうか?





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