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家族のこと

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父、母、祖父母のこと
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記事一覧

やさしさは繋がったかな

小さい頃は、祖父母と暮らしていました。 以前も書いたのですが、祖父は無口だけど優しい人でした。 「うまいか」 「そうか」 口に出すのはその程度でしたけど 言い方が柔らかだったんです。 うちの息子が ネコの食事中に通りすがり 「うまいか」 その...愛情あふれる同じ言い方で 語りかけていました。 祖父は、食堂のオヤジさんだったので、引退後は私たちの食事を作ってくれていたのですが、日本酒をコップに酌んで傍らに置き、くいっと吞みながら調理していました。 うちの息子が、

朝ドラが観られる幸せ

リモートワークになってから、朝ドラを毎日続けて観ることができています。これはずっと味わえなかった、ちょっとした幸せです。 朝の8時に家にいることは永い間なかったので、私にとっては画期的な事なのです。録画すればいい事ですし再放送を観るって手もあるのですが、そこまでの気持ちがなかったのは、自分次第ではありますね。 4月から始まった『虎に翼』も前作の『ブギウギ』も『働く女性』という部分が大きくて、注目しています。あたりまえですが、今なんかより、ずっと厳しい。 私は幸い、健康に

冷静な息子から学んだ母とのこと

母の介護のために 息子と一緒に実家で同居していますが あるとき 母の言動に頭にきた私は 息子に話を聞いてもらったんです。 「なんで何度おなじことを言っても  分かんないんだろう?」 という感じの愚痴でした。 すると、息子は とても穏やかに 「分からない人に  『なんで』って言ったって  分からないんだから  仕方ないでしょ」 あ...確かにね なんだか この人に言われると腑に落ちる 息子の方が達観してる 彼と私の会話が嚙み合わないときは 黙られてしまいます。 き

久しぶりに母の発作

昨日、何十年ぶりかで 母がてんかんの発作を起こした。 今の今までてんかん持ちだったことすら 忘れていたので 最初はただの寝言かと思った。 ビックリした割には ずいぶん落ち着いていた私自身にも ビックリした。 発作は1分ほどでおさまり その後ぐっすり寝て お昼ご飯もしっかり食べたので 今のところ大きな問題はなさそう。 本人は発作を起こした認識がない 外に出かけない人だし ありがたいことに私はリモートワークだし 日々の暮らしに支障はない。 訪問診療してくださっている 病院

父と私は似たものどうしの相思相愛

親指の爪が似ているよ 横に広くてね 不器用で 愛情表現が苦手なところまで 似てしまって お互い なかなか大変な人生よね 赤ちゃんの時 寝つきの悪い私を 車に乗せて寝かしつけたと聞いたよ 小学校の時は ちょうど、お店の休日に重なったから 授業参観に来てくれて... 手を挙げて、先生に指名されたのに なんで黙ってしまったのか 自分でもよく分からなかったんだ 高校生の時、バレンタインデーに 手作りのトリュフチョコあげたのに 大事にしすぎて食べないから カビちゃったよね 進

母を嫌いになれないことに気づいてしまった

noteに投稿するようになって 何度か母の事を書いてきましたが どうやら 母を嫌いにはなれないでいる自分に 気づいてしまいました。 どうして 一緒に暮らしているんだろう... とか どうしたら 気持ちが楽になるんだろう・・・ とか ずっと頭の中を グルグル回っていましたが きっと嫌いになれないから 考えてるんだなと気づいたのです。 嫌いになれていたら とっくに別居している。 あと先は考えない。 自分の責任感かと思っていたけど どうやら違うらしい。 やめておけばいいのに 理

もう1人の師匠は叔母

今でも しょっちゅう電話する叔母がいます。 母の弟の奥さんなので 血は繋がってないんですが 私はずっと頼りにしていて 心の拠り所です。 叔母は今 ひとり暮らしを楽しんでいます。 2匹の猫を飼っていて 「おばちゃんは、  猫と韓流ドラマで出来ている」 と自分で笑います。 そう、 よく笑う人です。 母の実家のお嫁さんに当たりますが ずっと一家の司令塔。 おじいちゃんが そう言ってたそうで なるほど納得です。 サバサバしてて、割り切りが良く、 引きずらない人です。 きっと

今日は命日 お墓参り

いつものお墓参りセットを持って 実家から車で30分 程よいドライブをして いつものお花屋さんで花束を5つ求め 菩提寺さまに到着しました。 おばあちゃんの同郷ご住職が やはり土地を変え 今は代替わりもされていて もう70年くらいのお付き合いで 実家のお墓のお隣に おばあちゃんの実家のお墓もあり そして 2つのお墓の真ん中に水子地蔵さま 手を合わせていると 穏やかな気持ちになれます。 長女だったおばあちゃんが墓守をし やはり長女の私も継承する事に… 深いご縁なのだと思う

本人が決めたこと

1年半ほど前、母が腸閉塞で入院したのです。 本当の原因は正確には分かっていませんが、 おそらく歯がないのに入れ歯を使わない為と思われるのです。 それと、筋力の低下かな。 本人いわく、 歯ぐきで嚙めるから要らない。 入れ歯で食べると美味しくない。 そうかも知れないけどさ。 その結果がこれです。 退院時には、主治医の先生からコンコンと 「入れ歯を使って食べてください」 と言われた時は、 「はい。」 って返事してたから、 自宅に訪問歯科さんに来てもらって、入れ歯を作り直しても

おじいちゃんの手習い

一緒に暮らしていたおじいちゃん。 私の小学校の教科書を見ながら、ひたむきに字を書いていた。 「カッコいい!!」 と思った。 孫の欲目としては、 ハリソン・フォードに似ている。 おじいちゃんは、洋服の仕立て屋さんに丁稚奉公に出されたので、 小学校に行っていない。 おじいちゃんのお母さんは、 若くして旦那さんに先立たれ、生きていくために後妻に入ったそうだ。 その時に、おじいちゃん達…兄妹はバラバラに奉公に出された。 夫婦になったおばあちゃんとは、仕立て屋さんで出会った。 結

怪獣と暮らす日々

「グワー、ゴゴー」 突然始まる、母のイビキ。 食べて寝てを繰り返すだけの毎日が、もう数十年だから、 あたりまえに太る。 食事療法で10キロ近く痩せられたのに、イビキは変わらない。。 同居開始の当初は、見守りの意味もあって私も同じ部屋に寝ていたのだが、あまりにイビキが凄くて、狭い納戸に避難した。 母が覗きにきて、 「なんでそんな所で寝るの?」 と聞くので、 「お母さんのイビキが凄いから」 と返すと、 「ふん!」だと。 父の生前、両親は一階と二階で別々に寝ていた。 当時

着たきり雀

小学生の頃、両親は商売で忙しく 私が小2の時から弟たちと一緒に、 祖父母に預けられて、曽祖母や叔母との大家族だった。 質素倹約の家計で、洋服を買ってもらえる事は稀で、同じスカートを繰り返し身につけていた。 ある日、同級生に「着たきり雀!」と言われた。 悔しくて恥ずかしくて、、、 祖母に話すと 一緒に生地屋さんに連れられて、、 好きな生地を選ばせてくれた。 淡いピンクのリップル生地 祖母はたちまちフレアースカートを作り上げて、余った生地でボレロまで! どれほど嬉しかったか