毎日エッセイ日記・6月26日「娯楽」

小説や脚本など､娯楽を生み出す仕事をしていると､私生活で求める娯楽が変わったものになる。

居酒屋やバーで人の話を盗み聞き、「この人､面白い！」となったら声をかけてみる。これが最近の娯楽である。

「お金のない男って､変な性癖あるよね〜」

こんな事を言う女性なんか、絶対面白いに決まってる。
自分の作品が束になっても､彼女の一言でノックアウトだろう。

自分の作品は､過去の経験や見た作品に影響を受ける。故に既視感がある。
だが、知らない人間が発する言葉には、未知の世界を見せる力がある。

おかげで最近の私は、金欠で悩んでいる男友達に性事情を聞いている。

END