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第5話「俺ちゃん野良勇者の巻」

「てかさぁめぐみちゃん」
「うん?」

いつのまにか似たもの同士の2人は打ち解けあっていた

「どこに向かってるの?」
「隠れ家」
「俺ちゃん部外者だよいいの?」
「あーえっとねぇ、

めぐみ曰く、めぐみは「人類最後の砦」と言う捻りもクソもない名前のギルド的なのに所属しているらしい
敵に気づかれない様に複数の拠点が敷かれており、味方に対しても情報統制が厳しいらしい、敵はすげえ狡い奴らでそれぐらい厳しい戦いが強いられているとのこと

そして俺は野良勇者と言うらしい、基本的に人々が神に願い立てをして呼び、厳重に管理された然るべき施設に転移されるらしいが、神の間で粗相をするとランダムに投げ出される現象がある様だ、器ちっちぇー

「そう、だからみつるは緑のリングもしてるし、安全な勇者って訳」

一度、野良勇者やはぐれ勇者と呼ばれる存在、そして味方であった者が敵に利用され、内部に侵入され壊滅的被害を喰らってからは神様と要相談し緑のリングを転送時に付けてもう様になったらしい

翡翠ぽい素材のリング、その機能は身分証明書の代わりにもなるハイテク技術が使われているとかなんとか

「じゃ俺ちゃんは一度神様とあってるって訳ぇ?」
「え?記憶ないの?」
「うーーん、うん?うん、あっ!」
「おっ?」
「お腹すいたね、てへへ」

問答無用でめぐみ愛用の杖兼棍棒でみつるは叩かれる

「ちょっとー脳が萎縮しちゃうよぉ」
「くそお前なんかのせいで私はレベル1になったんだぞ!ぷんぷん!」
「俺ちゃん反省てへぺろ」
(めぐみちゃん(#^ω^)ビキビキ)

バキバキッ、首の骨の折れる音がする

「うわやりすぎたかも、うわぁキモ、てか死んだ?」
「うぼっぼっぼ、え」
「危篤?え?危篤?」

しかしレベル1になりスキルも回復もなにもない彼女はどうすることもできない、
みつるが手で何かサインしている、が伝わらず、そしてみつるに手を掴まれ反射的に手首を折る

「うぐぁああ、ゔぁ」
「流石にごめん」

みつるは何か諦めた様に地面の砂地に文字を指で描く

「えーっと、きよかください」

「かいふくのきよか」
「あーあーあーてかできるなら早くやりなよ」
「いちおうおれちやんはしんようならない のらゆうしやだから」
「変に律儀ね、てか死にそうなんだから早く回復しなよ!」
「もうまにあわないもつとはやくであいたかつた」
「うそ、でしょ、」

出会って1日2日しか経ってないがこのみつるという男には何か惹かれるものがあったし、ほぼ初対面とはいえめぐみにとっては数少ない打ち解け合えた人だった、この荒んだ世界で人との交流は少なく決して簡単なものではなかった、その中でみつると会えたのは奇跡の様だった、意図せずポロポロとめぐみから涙が落ちていく

「めーぐみ、なんちゃって、ぱぁ」

パシンッ平手打ちが飛ぶ

「うわあああああああん」

まるで物語中盤で大切な仲間を失ったかの様な泣きっぷりで抱きつかれる

「よしよし怖かったでちゅねもう大丈夫でちゅよ」
「キモいしね、いやマジで」
「うはwワロ」

めぐみは合法ロリである、成人しているのでその様な言葉遣いをされるのは生理的に非常に無理である。

しかし荒野に2人、これほど騒ぎ立てれば何事もないはずがなく、敵の影が忍び寄る

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