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(新作ショートショート) ロック・アラウンド・ザ・クロック/ビル・ヘイリー

音楽に弱い。洋楽などさっぱりである。
子供というものは親の弱点を突いてくるものらしい。特に聞きかじった精神学に寄ると、
男子の子供の場合、父親は乗り越えなければならない壁らしく、成長期で青年になろうとしている息子とは微妙な空気感の中にある。
そういえば…と自らの亡父へと思いを馳せたりする時が多くなった。

昭和は男とは…と問うた時代だった。
父もご多分にもれず男はこうあらねばと、自らに課していた節があった。
精神力が皆無な私はよく酔っ払った父に叱られたものだ。曰く、男の癖に泣き言を言うな。男のくせに喚くな。欲しいと口にするな、男のくせに。

時代は移り男女は同権を持つ多様性の時代となった。人としてと置き換えられた言葉達は昭和には男だからと語られていたように思う。

息子も色々な不平不満を彼は彼らしく重ねて生きている。きっと変えられる。彼のキラキラ光る残花な少年の目が訴えて来る。
『とと達は大人はなんで変えないんだ、変わらないんだ。』
昔、亡父に呟いた言葉を投げかけてくる。
だってなぁ、お前が思う程父は成長してないんだ…成長しないままに枯れているんだよ…。
でかかった言い訳を今日も無言でビールで押し込む…。

親父ごめんな、分からなかったんだ…また父に思いを馳せる…取り敢えず無言で呑んどこう…。

父の時代のような圧倒的な父権はなく、ツマミのお菓子に手を伸ばす『おっとと』だ。今日もそんな成長のないダメ親父である。難しいことは他のエロい人に聞いて欲しい…ゲームと漫画のトリビア的ウンチク以外は…。それならちょっとは萌えてきたんだ…。
たいして蓄積もない上辺だけの得意と思ってる分野になんとか誘導出来ないものか…努力はして来た…思えば亡父もそうだった…歌が好きだった。歌うのも好きで宴会などで披露するとよく褒められていた。ど演歌だった…懐かしく想い出す…恥ずかしかったっけな…当然のように嫌った…息子は人としてもダメであった(笑)

そして息子の部屋からギターの音が聞こえてくる…やられた…『ロックンロールだな、シェキナベイベー』いつも通り、その程度であった。

ロックンロール(Rock and Roll, Rock 'n' Roll)は、1950年代半ばに現れたアメリカの大衆音楽スタイルの呼称である。 語源については、古くからアメリカ英語の黒人スラングで「性交」及び「交合」の意味もあり、1950年代はじめには「バカ騒ぎ」や「ダンス」という意味もあった。(wiki)

昔も今も【形から入るタイプ】である。
まず現代らしくスマホで検索してみる…性交の部分のみに脳が反応している、相変わらずのダメっぷり。飽きて投げかけるが1曲聴いてみよう。
歴史を語れば勝てるかもしれない…まだ勝とうとしている自分を無視して聴いてみる…

ロックンロールの起源とされている曲らしい…

ロック・アラウンド・ザ・クロック/ビル・ヘイリー


聞いた事はあるなぁ…うーん、fallout……
……ギターの曲とは違うな。

『あら、音楽聴くとは珍しい…ロック・アラウンド・ザ・クロックですか…』妻が声を掛けてきた。

聴いただけで分かるの?…🤔💭
お前か、お前の影響か…聞けば彼が赤ん坊の時にオールディズアルバムを子守唄代わりにかけていたらしい…
『ちょっと洋楽が好きな時があってね。』

いらんことしやがって…刷り込みしてやがった!
新たな敵の存在に今更気づいた。知ってたですけど…。悔しい(;`皿´)グヌヌ

『そんなモノよりアニメ見ようぜ!次のベル君観よう!』小学生の娘が言ってきた。
プリンセス👑💍💖
そうだな、シェキナベイベー!
どうせわかんないしな!

子守唄代わりにアニソン流してた甲斐があったよ……よくやった昔の俺!子育てはバカ騒ぎのロッケンロール!




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