「黄色い家」の読後感と、「大学の学費がかからないならば3人以上産みたい」と思う夫婦を応援したいという意見

賛否両論ある「3人目大学無償」政策。わたしが支持する理由は

・3人以上産めるし、産みたいと思える心身ともに健康な女性は本当に貴重
・子どもが好き、子育てが楽しいと思える人たちが、満足いくまで家族を増やすのはいいことだと思う
・子どもを持つ以上、大学に行かせるべきだと考える真面目な夫婦に子育てを頑張ってもらいたい

こどもの貧困、虐待、ヤングケアラーの問題など、後を絶たない。
昨日やっと川上未映子さんの「黄色い家」を読了した。大人に庇護されない3人の少女たち。主人公の花ちゃんを応援しながら読み進め、「そんなことだめだよね?大丈夫?」とお腹のあたりがそわそわするものの、花ちゃんの正義に立っている自分に気づかない。彼女の「生きること=お金を貯めること」という切実さが、「未成年の未熟さや視野の狭さ」「無責任な大人に利用される少女」なんていう常識的な発想を忘れさせてしまう。花ちゃんの蘭と桃子に対する気持ちに、すっかり共感して読んでいた自分「あっ」と我に返らせる川上さんの手腕。世の中にあふれるセンセーショナルな事件も、当事者の立場では、まったく違う世界が見えているのですよね。

自分の正義に疑いのない人が巻き起こす事件は、家庭にも学校にも無数にある。

いつでも登場人物を「冷静に俯瞰できるはずの目」を読者から奪ってしまうのと同じように、自分のことやわが子のこととなるともっと深刻な近視眼。「自分はすぐに偏る。自分の正義は他人の正義ではない。」ということは何度でも唱えなおさなければならないことだと、事あるたびに自分に言い聞かせる。それでもなにが最良の選択なのかは、わからないままで「えいっ」と選び、行動してしまうのですが。

冒頭の「無償化」に対する意見。わたし自身は、なんとか1人の男子を納税者して無事世に送り出すことができたけれど、肉体的にも、自分の生きがい的にも何人も産み育てるという偉業を成し遂げることはできないし、子育て真っ只中にあったとき、それを望んだことは一度もなかった。子育てはとても面白かったとは言えるけれど、大好きだとは言えない母でした。

責任を持って、子育てしたいと考える御家庭に潤沢な支援が行きわたるのはすばらしいことだと思う。ただし、現政権がその政策をどんな信念で打ち出したのかはわからないし、その政策が実行されるのか、いつまで続くのかはもっとわからないな、と思ってしまうのでした。


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