友人A

日々低下していく気分に終止符を打つために(ある種の気分転換のために?)自分の周りにはどんな人がいるのかを考えてみた。決して多いとは言えない私の友人の中から、高校入学から尊敬している友人Aについて話したいと思う。

私にはAという友人がいる。そいつは私から見たら正反対のような人間で、友達も多いしコミュ力もずば抜けて高いようなやつだ。入学して1ヶ月が経とうとしている時期に偶然授業で隣の席になったので話しかけてみた。当時私は禄に話せるような友達はいなかったのでこの時は信じられないくらい緊張していた。その時からそのAは持ち前のギャグセンを活かして、いじられキャラの定番みたいになっていた。私はAのことをキラキラしている存在として認識していて「すげぇなー」とか思いながら見ていた。話しかけに行ったあとの印象は、過去の自分を見ている気分で(自分で言うのもあれだけど)気が合うと思った。そこから一緒に同じ部活に入ったし休み時間になると、決まって私の席まで来て「カラオケ行かね?」とか「今日一緒に帰ろうぜ」とか私の想定していた高校生活が送られた。彼のいい所をあげるとキリがなく、何をやっても面白い、良いやつ、人気がある、話しかけに行きやすいオーラ、コミュ力など様々だ。私は絶対にこの人との関係を絶ちたくないと思っていた。というか、今でも思っている。2年になってクラスが離れた。Aの友達は自分の友達になるくらいに共通の友達が多かった。

前述の通り、私と彼には圧倒的な格差があった。1年の時から感じていたが彼の周りには人が寄りやすく、自分が置いてけぼりにされる気がした。何とか食らいつこうとしたが私は資格取得に励む時期があり、定期的に彼の存在が遠のくような気がした。2年になってクラスが離れた時は正直「もうダメだ」と思っていた。しかし彼は2年になっても一緒にご飯を食べに行ったり一緒に帰ってくれた。まぁ2人きりってことはだいぶ減ってしまったけれど。彼は新しいクラスでは案外早いタイミングで馴染んだらしく、私が狼狽えてる間に彼は人間関係が広がっていった。その中には自分とは特に関わりのなかった人もいた。しかし、自分と彼の繋がりはそう簡単には切れなかった。部活では自分が部長になった時に真っ先に彼を副部長として推薦したし、遊びに行く時は必ず誘ってくれた。

定期的に彼と自分とを比べるようになった。彼は何でも出来て自分は大した特技もないし、人望なんてものは持ち合わせてない。だから、自分にできないことを余裕そうに、しかも楽しそうにこなす彼の姿は私から見たら憧れそのものだった。そこに到達することは出来ないのは分かりきったことだったので諦めていたけど、自分も同じようになれたらなと思うことは何度もあった。多分彼はそんなことは気にしていないだろうけど。彼と違って自分は色々な責任を考えて臆病になるし、私は気分が落ちていることが常なので何度も助けられることがあった。かっこよかった。

まだ彼と私の縁は切れてはいない。絶対に切りたくない。きっと今まででも稀な気の合い方だろうと思っている。だから精一杯の努力をしていこうと思う。この文章は彼に届くことは無いだろうけど、いつか気持ちを伝えられたら…と思っている。

普段は言わないけど、実は憧れてるぞ。


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