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みんな、大麻のルールどのくらい知ってる?

さて皆さん、大麻のルールどのくらい知ってますか?
私はほぼ知りませんでした。
最近CBD製品にハマっていて、いろいろ調べる中で大麻の法律も調べていたんですが、せっかくなのでnoteにまとめました。

海外での大麻解禁といったニュースを最近よく目にするように、大麻を取り巻く世界の動向が変化しつつある中で、日本も大麻に関連する法律の改正を進める動きがあります。

大麻関連のルール関しては賛否両論あると思いますが、いずれにしても正しい知識が必要であることは間違いなく、この記事がなにかの参考になっていただければ嬉しいです!


大麻とは

まず大麻とはなにかを最初に説明しておきます。
大麻とは、大麻草と大麻草から作られる製品のことをさします。
で、大麻草の中には、複数の成分が含まれています。
その種類が結構いろいろあることに加えて、無害な成分Aを加熱すると有害な成分Bになったりもするので複雑なんですが、その中でも主要な成分が2つあります。「Δ9-THC」と「CBD」です。

そして有害だとされているのが「Δ9-THC」で、「CBD」は問題ない成分という扱いになっています。

Δ9-THCは有害作用を引き起こすもので、精神依存や記憶・認知障害、うつ病発生リスクの増加など健康被害を及ぼすとされています。

現状の大麻のルール

大麻に関する法律は「大麻取締法」と「麻薬及び向精神薬取締法」の2つがあります。以下でそれぞれの内容を説明します。

大麻取締法

大麻取締法で書かれている主な内容は以下になります。

1 . 大麻の定義:大麻とは、大麻草と大麻草から作られたもののことを指す。ただし、茎と種子+それらから作られたものは対象外。

大麻草の規制箇所と規制対象外箇所

第一条 この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

昭和二十三年法律第百二十四号  大麻取締法

2 .  大麻の所持・栽培・譲り受けの禁止 

大麻取扱者の免許は、大麻栽培者か大麻研究者のみに発行されます。また、当たり前ですが大麻取扱者は研究、繊維若しくは種子の採取目的以外で大麻を所持・使用してはいけません。

第三条 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。

3. 大麻の輸出・輸入の禁止。

第四条 何人も次に掲げる行為をしてはならない。
一 大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)。

昭和二十三年法律第百二十四号  大麻取締法

4. 大麻から作られた医薬品の使用の禁止

海外で承認・使用されている大麻由来の医薬品でも、日本だと使うことが許可されていません。

第四条 何人も次に掲げる行為をしてはならない。
二 大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること。
三 大麻から製造された医薬品の施用を受けること。
四 医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等(医薬関係者又は自然科学に関する研究に従事する者をいう。以下この号において同じ。)向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として医薬関係者等を対象として行う場合のほか、大麻に関する広告を行うこと。

昭和二十三年法律第百二十四号  大麻取締法

麻薬及び向精神薬取締法

この法律は、麻薬・ドラッグに関する規定を定めたもので、違法成分として大麻草から検出される「Δ9-THC」も指定されています。
以下は主な部分の抜粋です。

1. 麻薬の定義を規定。Δ9-THCなどの大麻草に含まれる成分を麻薬と定義

大量の化学記号が麻薬としてリストアップされる中で、大麻草から取れる主要成分の1つであるΔ9-THCも、精神作用があることから麻薬として指定されています。この他にも大麻草から取れる成分で精神作用があるものは麻薬に指定されています。

第一条 麻薬及び向精神薬取締法(以下「法」という。)別表第一第七十五号の規定に基づき、次に掲げる物を麻薬に指定する。

六十三 六a・七・八・十a―テトラヒドロ―六・六・九―トリメチル―三―ペンチル―六H―ジベンゾ〔b・d〕ピラン―一―オール(別名デルタ九テトラヒドロカンナビノール)(分解反応以外の化学反応(大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)第一条に規定する大麻草(次号において単に「大麻草」という。)及びその製品に含有されている六a・七・八・十a―テトラヒドロ―六・六・九―トリメチル―三―ペンチル―六H―ジベンゾ〔b・d〕ピラン―一―オールを精製するために必要なものを除く。)を起こさせることにより得られるものに限る。)及びその塩類

麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)


ここまで専門用語が多かったんですが、現状の法律はざっくりこのようになっています。

大麻取締法は1948年に公布・施行され、最後に改正されたのは1991年になります。つまり、公布・施行から75年、最後の改正から32年経っており、その間に研究がアップデートされ世界の大麻を取り巻く状況も少しずつ変化しているわけです。

そこで近年は国内でも改正を図る動きが見られるのですが、現状の法律のどこが課題となっているのかを次の章でお話します。

現状の課題と改正

部位規制から成分規制への見直し

大麻取締法では、大麻草の部位によって規制を行っています。
この背景には、大麻法が作られた1948年時点では、大麻の有害作用がどのような成分から引き起こされるのか明らかではなかったからと考えられます。

大麻草の規制箇所と規制対象外箇所

しかし、実際の取締りは成分に着目して行っていることに加えて、大麻の鑑定方法は、大麻草に含有するΔ9-THC(大麻の主要な成分)を分析するというもの。実態としては、部位ではなく成分を基本として取締が行われているようです。

このように、大麻取締法と実態の間に乖離があることに加えて、有害なのは部位ではなく精神作用を示すTHCであるため、THCに着目した規制に見直すことが適当だとされています。

医療大麻

大麻の医療への応用は世界的に進んでいます。中には正式な機関に承認されてるケースもいくつかあり、「Marinol」はアメリカ食品医薬品局に、「Syndros」「Ceasmet」はFDAの承認を得て実際に使用されています。いずれも難病の治療に対して使用されるものです。

国内の例でいうと、難治性てんかん治療薬「Epidiolex」があります。これは諸外国で承認を受け、使用が可能となっており、国内でも治験が開始されている大麻由来医薬品です。しかし、薬事承認がされても、大麻取締法によって施用は禁止されています。そのため、医療ニーズは高い一方で、必要としている人が使うことができないという状況があります。

さらにWHO専門家会合において取りまとめられた、麻薬単一条約の改正の中で、大麻は「特に危険で医療用途がない物質」という位置づけではなくなりました。このことからから、大麻から製造された医薬品の有用性が認められていることがわかります

このような状況から、日本でも医療大麻解禁を、という声もあります。

大麻の「使用罪」

上記でもみたように、大麻法には所持、栽培、譲渡に関する制限はあるものの、「使用罪」がありません。大麻以外の薬物は使用まで制限されているため、他の薬物に関する法律との整合性の観点から、大麻の使用に対しても罰則を科すべきだという意見があります。さらに、使用に対する罰則がないことが、「大麻を使用してもよい」というメッセージと受け止められかねないという懸念もあります。一方で、国際的な麻薬中毒者回復支援の流れに逆行しないか、大麻の使用が社会的な弊害を生じさせてるとはいえない、という否定的な意見も見られます。

さて、上記のような議題が国内で議論されているわけですが、海外の大麻の法律はどのようになっているのでしょうか?
大麻解禁のムードに世界がなっているようなニュースも目にしますが、実際のところどうなのでしょう。

海外の大麻に関する動きは?

ウルグアイ
2013年 世界で初めて嗜好目的で使用可
カナダ
2018年 嗜好目的で使用可
タイ
2022年6月 医療大麻解禁
アメリカ
1996年 カリフォルニア州において全米で初めて医療用大麻の使用を合法化
2016年 嗜好目的大麻の合法化

いくつかの国では嗜好目的の大麻が許可されていたり、医療大麻が解禁されたりしていますが、世界全体でから考えると決して大多数とは言えません。また、そもそも国連で採択された「麻薬単一条約」では、大麻を使用することは禁止されいるので、嗜好目的での使用を認めている地域は国連条約違反になるわけです。

加えて、合法化=使用推奨という意味ではありません。合法化することで麻薬密売人からの収入を取り上げる、税収を増やす、安全面や健康面を政府がコントロールできるようになるというような、社会的に合理的となる理由が背景にあったりもします。

なので、「合法化している国があるってことは、大麻はそんなに危なくないってことでしょ!」とはならないのです。

最後に、最近よく聞くCBDについて。
大麻草から作られてるって聞くけど、大丈夫なの?という人がたくさんだと思いますが、CBDに関する規制がどうなっているのかを最後にちらっと紹介します。

CBDに関する規制

結論からいうと、CBDに関する規制はないです。

CBDがわからないという人向けにざっくり説明すると、CBDは大麻草から取れる成分の1つで、THCのような精神作用がなく、医薬品の主成分としても活用されています。これだと、規制がないのも納得できます。

また、CBDを取り扱う事業を行う場合でも、特別なライセンスは必要ありません。ただ、大麻草から取れる成分であるため、輸入・管理には厳重な注意が必要で、輸入にかかる手続きも手間と時間がかかります。


CBDから違法成分であるTHCが混入されるケースもあります。この場合は、違法成分が検出されたことになり、所持、輸出・輸入、譲渡ができなくなります。


以上がざっくりとした、大麻に関するルールのまとめです。
感想・訂正お待ちしております。

ちなみに、CBD関連の仕事募集しているので、興味ある方是非DMください。

参考

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