見出し画像

書くことに困ったシリーズ「ち」

書きたい気持ちはあるけれど、何をテーマにすればよいか悩んだときのシリーズ。五十音順に進めております。

「チケット」

なんて夢のある言葉。私は専らコンサートのチケットを取得するばかりで、旅行のためのチケットはあまり取得する機会がない。
ただ、コンサートのチケットは中学生の頃から争奪戦に参加していた。

当時はチケットぴあやチケットセゾンなどのプレイガイドに出向いて窓口で「○○のコンサート、何月何日、S席2枚」などと伝えてその場でお姉さんが画面で空き状況を見ながら座席表を出してきて、この席とこの席、どちらがいいですか?などとやり取りしながら取ってもらっていたので恐ろしく時間を要したものだった。
お目当てのチケットは並んでいる段階で売り切れになってしまうので、前日の夜から並ばなければならなかった。必死の思いで並んでも「SOLD OUT」の札が出されるかもしれない、と自分の順番が回ってくるまでヒヤヒヤしっぱなしだった。

初めて夜中に並んだのは高校生の時。
梅田の今のHEP FIVE、当時の阪急ファイブだったかエストだったか、何しろ若者御用達の最先端のショップが並ぶビルにプレイガイドが入っていたのだ。
その建物の外壁沿いにずらっと並ぶ列の中で一晩を明かす。
今でもコンサートがあれば絶対に参戦するそのミュージシャンのチケットは、デビューしたての頃は席を選ぶ余裕もあったのに、あれよあれよという間に入手困難となってしまい嬉しいようなさみしいような複雑な心境になったものだ。

さて、21時頃までは一緒につきあってくれていた友だちも帰宅し、23時、24時と自分にとっては非日常な体験にワクワクしていたのだが、終電も終わり、徐々に人通りもまばらになってくる頃には暇も持て余すし、心細くもなってきた。そんな夜中の2時か3時頃、高校の3年間ずっと好きだったN君がバイクで会いに来てくれたのだ。嬉しかったな。そしてしばらく一緒にいてくれたのだが帰り際に自分がつけていたマフラーを私にかけてくれたのだ。

いやいや、ヤバいか、これ。王様は読むことがないと思うけど、侑さんは気が向いたら読んでいるかもしれない。恥ずかし(/ω\)(笑) わはは、何十年前の話で恥ずかしがってんだか(笑)

今はどこでどうされているかわからないが、今でも心が温かくなる、若い頃の良い思い出だ。
あ、でもこんな良い経験をしたものの、N君にはちーっとも振り向いてもらえなかったのだ。

この時は無事チケットも取れて、数か月後に開催されたコンサートも楽しみ、コンサート会場の興奮にドはまりし、生き方や考え方も大きく変化することになったのだ。

チケットにはやはり夢が隠されている。

#チケット   #コンサート
#梅田    #プレイガイド

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?