守護の熱 第二章 第二十六話 それぞれが
清乃は、料理が上手い。俺が一番好きなのは、カレーだ。小さな、ランサム製の酒の小瓶を垂らすそうだ。何か、家や、他の店で食べるより美味かった。多分、この味は、忘れない。
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こないだ、雅弥くんと、初めて、一緒に、星空を、あの秘密の場所で見ることができたの。とても、嬉しかった。でも、もう、多分、二度と行かない。・・・というか、行けない・・・かも・・・ね。
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その日は、最悪だった。
どうせだったら、こんな形で、そんなことにはなりたくなかった。
色々な気持ちが、綯交ぜになった。
・・・でも、俺は、何があっても、実紅ちゃんを護る。
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え?ああ、夏休みは、車の免許を取りに行ったよ。
なんとか、受かった。水沢大の推薦も取れそうだし。
・・・知らないよ。夏休みは、全然、会わなかったから。
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夏休みは、図書館で勉強してたよ、安季美ちゃんと。
彼女の方が、頭いいからさ。大学はやっぱり、水沢大かな。
一応、家から通えるとこに。彼女は、看護師学校に行くんだって。
俺は、まだ、なりたいものは解らないけど・・・え?何の話?
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えー、なんか、何?ヤバいこと、あったの?
えー、知ってる奴、いないのかなあ、
へえー、なんか、やっぱり、おかしいと思ったんだよなあ、
で、あいつは・・・?
「ねえ、あんちゃんは?あんちゃん、お部屋にいなかったよ」
「・・・あんちゃんはね、今日は、朝早くでかけたの」
「そうなんだ・・・」
「明海、じゃあ、そろそろ準備いいか?粗方は、梱包が済んでるから」
「くれぐれも、向こうのご両親によろしく言ってね」
「解った。・・・俺も、ここへ来て、ランサムに赴任になってしまったからな」
「うん・・・突然だけど、丁度、夏休みだし、転校には良いタイミングだと思って」
「ほとぼりが冷めたら、戻ってこられるだろうから。・・・お袋、ごめん。こんな時に、こっちにいられなくて」
「・・・まあ、大丈夫よ。お父さんがいてくれるから」
「すみません。お父さんのご配慮に感謝します」
「まあ、塀の落書きには、驚いたが・・・何かあったら、必ず、連絡してくれ」
辻家の庭を囲む外壁には、心無い落書きがされていた。
先日は、所有している果樹園が荒らされて、果物や作物が盗まれる被害に遭った。
「ごめん、お袋、じゃあ、二人を送って、そのまま、俺はランサムに」
「御母さん、こんな時に、すみません」
「早くいきなさい」
「あ、あの、これ・・・」
いくつかの封筒が、一つの紙袋に入れてあるものを、明海は取り出し、姑に渡した。
「雅弥君宛てです」
~つづく~
みとぎやの小説・連載中 守護の熱 第二章 第二十六話 それぞれが
さて、様相が違ってきたようです。
何が、どうなったのか。
ちょっとだけ、ヒントですが。
人も違うのですが、下へ行くほど、直近の時間に、つまりは、時系列通りに、お話は、流れています。
次回は、どうなってしまうのでしょうか?
お読み頂きまして、ありがとうございます。
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