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御相伴衆~Escorts 第一章 第九十三話特別編「隣国の王女~白百合を摘みに⑤」

🎀🔑⛸🍓⚔ ※太字は異国の言葉「藍語(ランサム語)」で話しています

 中庭では、お茶会が続いている。
 一見すると、紫杏シアン姫を囲み、和やかな感じではあるが・・・。
 紫杏姫は、あることに気づいた。

「そういえば、皇宮には、皇女様は、三姉妹でいらっしゃる筈なのだけど、一の姫様は、お出ましにならないのかしら?」

 桐藤は、心得たというような感じに、これに応えた。

「あ、ああ、そうでした。失念しておりました。一の姫様は、今朝ほど、お熱を出されまして、今日は、失礼させて頂いております。申し訳ございません、よろしくと申し使っております」
「ご挨拶にも、お出にならないから、どうされたのかと、思ったわ。・・・一の姫様は、ご長女なのよね?二の姫様付きは『柚葉』お兄様なのよね? 一の姫様付って、ひょっとして、あの空港に来ていた小さい子かしら?」
「あ、ああ、そうです。あの子のことですね。そうです」
「ふーん。そうなのね・・・女の子みたいだよね。あの子、なんか、可愛い恰好とかさせてみたいタイプよねえ」

 この会話を受けて、二の姫美加璃ミカリは、柚葉に耳うちする。

「・・・なんか、私と同じこと考えてるわ・・・」
「同調しないでくださいね。頼みます」
「するわけないでしょ」

 すかさず、その様子を見た、紫杏姫が、二人に言葉を差し込んだ。

「まあ、仲がよろしいこと。そんな二人で、こそこそと・・・それで、お兄様は、美加璃姫様をいつ、素国に連れてお帰りになられるのかしら?」
「え?・・・あ、それは、まだ、今は、姫も世界選手権が続きますし、今、しばらくは・・・」
「ええ、準備が出来次第、いつでも、とは考えておりますのよ、うふふ」
「良かったですわ。素国でも、母国語と藍語ができないといけませんからね。お兄様、そろそろ、美加璃姫様にも、素国語をレクチャーされないとですわね」
「・・・そうなの?柚葉?」
「いえ、藍語が御出来になりますから・・・充分です」

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