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儚い


過去の写真を掘り返してみた。
写真を振り返ると大学1年生の夏が蘇ってきた。

彼女ではないが友達でもない女の子と過ごした日々が確かに残っていた。

大学のオンライン授業終わりに1時間かけて自転車で移動した日々、一緒に食べた海鮮丼、巡った美術館、一緒に鑑賞した日々が確かに生きていた。2人でインカレサークルを作った日々も確かに生きていた。

ジメジメと汗ばんだ感覚と蝉が泣いている音を感じさせるものだった。

結局その子と付き合うことはなく、
今は結婚を前提にして付き合っている彼女がいる。

今の彼女は最高だ。彼女は髪が長く、見た目は乃木坂にいそうな雰囲気でありスタイルが抜群だ。

思慮が深く繊細であるが全ての人に誠実に向き合い、頭のいい女の子だ。自分が思い描いてた本当に理想通りの彼女である。

初めて真剣に結婚を考え、生涯を共にしたいと考えている。これ以上ない彼女だ。

自分を全肯定し尽くしてくれ、美味しい寿司を食べながら人生や恋愛観について語るのが1番楽しい。

しかし、ひとつだけ異なる点がある。

それは彼女は、一つの恋愛が終わるときっぱり過去の恋愛を断ち、今の自分に向き合ってくれる。つまり過去の思い出を上書き保存していく考えのようだ。

だが、自分は冒頭の夏休みに経験した思い出を上書き保存は出来ずにいる。一つ一つの想い出の汗が、上書きというよりは今の自分を作り出す血肉なようなものに感じるからだ。

冒頭の子と結ばれなかったからこそ、今の最高の彼女に出会えた。行動をすれば、当然新たな出会いが生まれると同時に儚さを感じる。

1番近くにいる存在は、近づきすぎたがため
中途半端な関係に出来ず、1番遠くになる可能性を同時に孕んでいる。その瞬間では感じられないが、一緒に空間を過ごすって案外当たり前じゃない。非常に寂しく儚いものだと思う。

過去の恋愛に決して囚われてるわけでもなく美化をしているわけでもない。儚さを感じつつも今の彼女に誠心誠意向き合い、一緒に幸せな空間を作りたい。

写真を見返していずれ儚い気持ちにならないように。

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