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大きいと目立つのは、なぜ?(紙面デザイン)

大小とメリハリをつける

グラフィックデザインではよく「メリハリをつける」という言葉を耳にします。目立たせたい要素を大きくし、サブ的な要素は小さくする。これは一見シンプルな考え方ですが、実際には目立たせたい要素内でもメリハリが生じ、サブ的要素の中にも大小の違いが現れます。デザインはまるで螺旋を描くように展開し、だんだんと縮小していく――そんなデザインが「メリハリのあるデザイン」と言えるのかもしれません。たぶんね。

それにしても、「メリハリ」の語源って、よくわからないですよね。メリメリ、ハリハリ…。

見やすい=読みやすい

「そりゃそうだ」と納得した人は、おそらくこれを思い浮かべていたのではないでしょうか。大きい文字と小さい文字を並べると、大きい文字の方が見やすいのは簡単に想像できます。大きい分だけ視認性が高まり、読みやすくなります。それは「目立つ」ということ、つまり認識されやすいということに直結します。なるほど、「目立つ」とは、認識されること、あるいは認識しやすいことなのかもしれません。

近いか遠いか

最近、私は文明がどれだけ進化しても、人間そのものはそれほど変わっていないのではないかと感じます。古代の人々がまだ知識をほとんど持っていなかった頃を想像してください。例えば、2匹の得体の知れない生物が目の前にいるとします。どちらもこちらを見ていますが、1匹は遠く、もう1匹は近くにいます。さて、どちらに注意を向けるでしょうか?

私なら、間違いなく近くにいる生物に注意を払います。これは防衛本能で、早く相手を認識して状況を把握するためです。この状況では、命にかかわるため、遠くの生物も無視できませんが…。

いやいや、平面の話です

そう、これは平面の話です。しかし、私たちの脳は大きいものと小さいものを見たとき、「近いか遠いか」といった空間的な認識をしているのではないかと考えています。大きいもの=近い、だから目に入りやすく目立つ、ということです。

大きいと目立つ理由

大きいものが目立つのは、視認性が高いためです。文字でも図形でも、大きいものは物理的に目に入りやすく、自然と視線を集めます。また、人間には近いものを警戒する本能があります。この本能に訴える形で、大きいものは無意識に「近い=重要」と判断され、さらに目立つのです。


裏付ける要素

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