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太政官のかんさいをこう 判断を仰ぎます

忘れると困ることや覚えなくてはいけないことを喪失しないように、携帯のメモ機能を使って備忘録にすることがある。

あまり頻繁に使う機能ではないので、次に使用する機会に前に書いたメモを見返すと、当時の記憶が蘇って面白い。

だが、バイトの仕事内容をメモした箇所にあったこの言葉は理解できなかった。

太政官のかんさいをこう
判断を仰ぎます


万が一人に見られた時に恥ずかしくないように表現をぼかしたり、暗号を使うことはないでは無いが、そのようなものを作った記憶すらない。

バイトに関することでは無さそうだ。飲食店のホールにこんな用語は必要ない。「判断を仰ぐ」くらいなら使うだろうか。

これは、いわば現在に至るまでに、私が不要と切り捨てた記憶の一部であり、同時に当時の私が考えなければならなかった悩みの種でもあるはずだ。

考えても思い出せないこの言葉に対して、私はある種のノスタルジーすら感じる。自分から切り離された、「元自分」に。

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