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DIYできそうな気がする視覚バイオフィードバック

▼ 文献情報 と 抄録和訳

スリングを用いたブリッジエクササイズ時の左右対称の動きに対する視覚的バイオフィードバックの効果

Kim, Soo-Yong, Jae-Seop Oh, and Min-Hyeok Kang. "Effects of Visual Biofeedback on Symmetrical Movements During Bridge Exercise With Sling." Journal of Sport Rehabilitation 1.aop (2021): 1-6.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[背景] 不安定な状態でのブリッジ運動では、体幹と下肢の非対称な動きがよく見られる。しかし、不安定な面への押圧力を視覚的にバイオフィードバックすることで、ブリッジ運動中の体幹・股関節伸展筋や骨盤回旋の筋活動パターンが変化するかどうかを調べた研究はない。

[目的] 押圧力の視覚的バイオフィードバックが、腰部・股関節伸筋と骨盤回旋の対称的な活動にどのような影響を与えるかを検討する。

[方法] デザイン→横断的研究。参加者は健康な男性20名が本研究に参加した。介入方法→参加者は2種類のブリッジエクササイズを行った:標準的なブリッジエクササイズと、スリングの押し付け量による視覚的バイオフィードバックを用いたブリッジエクササイズである(図)。

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バイオフィードバックを行うために、テンションメーターを参加者に装着し、バイオフィードバック情報をテンションメーターの画面に数値で表示した。参加者は,ブリッジエクササイズ中,テンションメーターの圧力レベルを目で確認しながら,左右の圧力差を調整した(図1D)。

主なアウトカム指標は表面筋電図を用いて、両側の脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングスの筋活動の対称性(利き手側と非利き手側の差)を測定し、モーションセンサーを用いて骨盤の回転を評価した。押圧力の対称性はテンションメーターを用いて測定した。

[結果] 利き手と非利き手の押圧力の差、および利き手と非利き手の脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングの筋電図活動の差は、視覚的バイオフィードバックを用いたブリッジエクササイズでは、標準的なブリッジエクササイズに比べて有意に小さかった(P < 0.05)。さらに、ビジュアルバイオフィードバックを用いたブリッジエクササイズでは、スタンダードなブリッジエクササイズに比べて、骨盤の回転が有意に少なかった(P < 0.05)。

[結論] 今回の結果から、ビジュアルバイオフィードバック戦略は、不安定な表面上でのブリッジ運動中に脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングの対称的な活性化を強化し、骨盤回転を減少させるのに有用な方法であることが示唆された。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

これまでバイオフィードバックというと、EMGを用いたリアルタイムフィードバックなど『高度な技術・高価な機器』を要するもので、自分で作るなんて、とんでもない!、と思い込んできた。
>>>最新のバイオフィードバックトレーニングに関する参考サイト

だが、このバイオフィードバックはどうだ。作れそう!、アナログから離れすぎていない。
例えば、ブリッジの際に下に体重計を埋め込んでおいたベッドの上で行ってもらい、見えるところに数字を表示することは、できそうな気がする。
そんなアイデアをもってもいいんだ、と思わせてくれた。
「DIYできそうな気がする」というDIY自己効力感(?)を与えてくれる、貴重な論文だ。

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