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“レジリエンス” という概念を臨床現場に適応する

▼ 文献情報 と 抄録和訳

整形外科患者のレジリエンス

Otlans, Peters T., et al. "Resilience in the Orthopaedic Patient." JBJS 103.6 (2021): 549-559.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[概要] レジリエンスとは、「不幸や変化から回復する能力、または容易に適応する能力」と定義され、逆境やその他のストレス要因に直面したときに適応し、改善する能力を意味するダイナミックな心理学的構成要素である。最近の様々な整形外科領域での研究により、レジリエンスが外科手術後の良好な精神状態と身体機能に寄与する可能性が示されている。たとえば、股関節骨折後の身体機能回復はレジリエンスが高い患者の方が大きいことが明らかにされている。レジリエンスを測定する尺度は15種類以上ある。整形外科疾患の患者の健康と転帰において、レジリエンスとその他の要因が果たす役割をより明確にするためには、デザイン性の高い前向き研究を用いたさらなる研究が必要である。整形外科医は、外科的処置がうまくいく患者と、健康と機能を最適化するための特別な治療が有効な患者を見分けるために、レジリエンス評価を診療に取り入れることを検討できる。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

最近、さまざまなパーソナリティの特徴と治療転機の関連性が調査されてきている。レジリエンスもその1つであり、グリット(やり抜く力)などに近い概念のように映った。治療効果の種類と関連の強いパーソナリティ指標の組み合わせが明らかになると使いやすいと感じた。