見出し画像

一緒に見に行ったじゃん

気づけばもう半年も前の話か。俺は気になっている女の子と一緒に呪術廻戦の映画を見に行った。呪術廻戦のアニメは半分くらいしか見てなかったけど、見てなくても大丈夫と言われたから特に予習もせず見に行った。
その子とは前にも何回か二人で出かけたことがあったのだが、話が合って一緒にいると楽しかった。だから今回も会うのが楽しみだった。
俺はあの子に会えることに胸を弾ませながら集合場所に向かったのだがふつうに5分くらい時間に遅れた。ここがクソ。俺は余裕を持って家を出てるはずなんだがなぜかいつも集合時間に遅れてしまう。俺だけ時空がバグってる。しかも5分くらいの遅刻が一番タチ悪いらしい。
だがあの子は怒るそぶりもなく、いつもの笑顔で俺を迎えてくれた。なんか余計申し訳なくなった。
デートは楽しかった。少なくとも俺は。やっぱりあの子とは話が合う。
あと呪術廻戦の映画がふつうにめちゃめちゃおもろかった。あの子はアニメも全部見てるし、漫画も最新刊まで全部読んでいるから、終わった後に映画で気になった部分をいろいろ聞いたりして盛り上がった。映画見た直後は帰ってアニメ全部見ようって思ってたんだが半年経った今でも見てはいない。もはや見る気はない。俺は昔から好きな子に染まるタイプではない。
その後はご飯も食べに行った。クソ寒かったのでとりあえず一番近くにあった焼肉屋さんに入ろうって話になって入ったのだが、そこがなかなかのゴム肉っぷりだった。俺は耐震マットでも食わされてんのかと思った。ここが本日2個目のクソ。とりあえず慣れない酒で流し込んだ。あの子の方が酒豪だったのもなんか情けなかった。とにかく色々取り返すために俺が奢った。あの子は申し訳なさそうに「ありがとう」と言っていた。これで遅刻とか諸々チャラになんねーかなとか思ってたけどあんなゴムゴムのガトリングミートじゃおそらくチャラにならなかっただろうな。
その後はもうバイバイした。ちゃんと見送ってあげたしデート後のラインも自分からした。終電前には解散し、お見送り&「ちゃんと帰れた?」の気遣いライン。今考えてもなかなかのモテ男ムーブが決まってる。俺的にはデート後のラインとかめんどくさいタイプなのだが、本命感出すにはやったほうがいいとどっかで聞いたことがある。俺はかわいいからそういうの間に受けて実践するタイプ。伸びしろしかない。

そして微妙なクオリティのデートを繰り広げた後日、また会う機会があったのだがその時に呪術廻戦のアニメの話になった。そしてあの子は俺にこう聞いてきたんだ。「東京くんは呪術廻戦の映画見た?」
クリスマスを終え、年の瀬を迎えた12月下旬。肌寒い風が凛々と身に染みる。今夜は一段と冷え込むらしい。

この記事が参加している募集

#ほろ酔い文学

6,043件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?