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「渡良瀬橋」に出て来る男の真似をして、足利市駅前を歩き回った話 後編

JR足利駅に到着した私は、相田みつを展にすっかり満足していて、肝心の取材をすっかり忘れていた。その最たるものが、音楽の流れる歌碑とやらだった。JRで帰るつもりでいた私は急いでそこまで往復することにした。

JR足利駅を基本にしていることもあって、左岸に主要な施設が集まっている。すぐに川のある南口には、高校があるくらいで、他にはあまり見るところもない。ただ、すぐに川に行けるので、行きたい人には嬉しい。

さてさて、渡良瀬川のいいところは、川に沿って歩道がちゃんとあるところだね。

ただ、悪い人も出てきそうな感じなので、1人で歩くのはやめましょう。ちなみに歌碑は、この川沿いじゃなくて、一個向こうの歩道にある。そこ注意ですゾ。

到着した!歌碑だ。こんなに長い歌詞だったっけ。勘亭流ってやつか、フォント。それはそれとして、ボタン押したらどれくらいの音量がくるんだろ。車の窓から、「あーあいつ、森高の聖地巡礼だよ」と絶対言われてる。早く押さなきゃ。

ということで、ここまできて押さない選択肢はないよね、ということで押した。

ん?、ん?、案外聞こえて来ない。あ、意外に周りには響かないようになっているのね。3メートル離れると、歌は聞こえないくらい。そっか、良かった。でも、ここにいると、絶対あいつ聖地巡礼と思われるよね。1人しかいない。

それで、さあ、帰ろうとした時、

床屋の角にポツンとある 電話ボックス覚えてますか

の歌詞が見えた。アッ、電話ボックス!

これが、歌碑から遠いのですよ。完全に順番を間違えました。例の男はこんな歩き方してないぞ、きっと。

海人さんからご指摘いただいたのですが、歌詞の女性は、「渡良瀬橋の公衆電話」近辺の老舗の跡取りで、婿を持って来ないといけない家業。故に、地元から出られないし、相手もここで暮らさねばならない。そういう宿命なんじゃないかと。私も全面的に同意です。

で、ありましたよ、公衆電話。ホラーの撮影とかに使われそう。失礼な。

このような張り紙も。色褪せ感が、ホラー風ですね。失礼な。

で、八雲神社に参ります。

これも地図上で見るよりも遠い。

あの森の向こうなんだよね。恋人と一緒なら全然楽勝な道のりも、50のオッサンがタブレット片手にバチバチやってると、めっちゃ疲れる道のり。

なんてことない水路だけど、小さい魚が泳いでた。

到着。意外にコンパクト。お賽銭は奮発して100円も投げちゃいましたよ。

「森高千里の名曲「渡良瀬橋」の歌詞に読み込まれています」だって。シンガー諸君、こういう地元戦略悪くないんじゃないか?やっぱ森高が案外歌詞作るの上手だったんでしょうなあ。中学校の友人、坂井くんの言ってた通りだね。

(このあとわかったことは、足利学校の近くに「上之宮」と呼ばれる八雲神社がある、とのこと。もしかしたら、歌の神社はそちらではないか、とも思う。これは『足利市史』にも神社仏閣の項で書いてあって、なるほどとおもった。ただ、電話ボックスとの距離を考えると、どうだろう、という感じ。「下之宮」である、こちらの八雲神社の方が、やり切った感が出る。)

そこかしこに古い街並みが。足利、場合によったら鎌倉時代とか、室町時代にまで遡れるもんね。けど、それだけだと、なかなか人が呼べない、難しいところだね。一つ一つは頑張っていて、私は足利嫌いじゃないです。いやむしろ好きです。私が、例の男だったら、ここで暮らして、市会議員の一つでも目指しますよ、と。実際、松本と諏訪と飯山に住んだしね。このまま長野県民になろうと思ってた。

ちなみに足利市には面白看板があって、「We never(大きくバツ) change」もユニークでした。

あとは「舎音瑠」。これシャネルなんだけど、シャネル裁判ていうのが八十年代に結構あって、商標登録のシャネルを名称として使うな、とシャネルの日本法人がどんどん裁判を起こした出来事ね。それに抵触しないように漢字を当て、わからなくさせてる「シャネル物件」ってやつだね。

あと、こののぼりね。昭和レトロもいいけど、「ヤングヤング」とか「〜だヨ!全員集合!」とか、誰の発案だよ。大正時代から見た江戸末期より、古い時代だぞ、1970年代を2024年に回顧してるんだから。「八雲立つ」くらいにしておけよ。あ、古すぎるか、なんてったってスサノオだもんね。

ディスってないです。オモロいなあ、と。

それで、途中ローソンで休んだりして、足の裏が痛くなったところで、最後の中橋を通りましてよ。結局JR両毛線は一時間に一本しか電車がないので、ちょっと夕方に仕事の約束があった私としては、あんまり遅くなれなかったので、今回はJRはあきらめて、のこのこと東武で帰ります。

中橋からみる、渡良瀬橋

中橋、橋げた付け替えるんだね。すでに橋げただけ出来ていたよ。確かに橋げたは若干脆弱っぽかったから、ちょうどいいのかもしれないね。

左に新橋げたがみえる

でも東武、意外に乗り換えもよくて、接続良いよ。

東武の足利駅は、高架なんだよね。眺めがいい。

バイバイ、足利。

また来るね。

私は、例の彼よりは、律儀だぞ。

例の彼は、結局、どういうルートを通っていったのでしょうか。

足利駅~目抜き通り~公衆電話の近くの女の家~ときどき八雲神社~渡良瀬橋を通って、東武線で帰宅。

かもしれないな。

いやー、結構歩いた。

オチは無し。相田光男のことは次回以降!


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