「塩野七生『ローマ人の物語』スペシャルガイドブック」/事後編として全15巻を楽しみ返し、頭を整理できる。写真豊富で第Ⅹ巻同様映像でイメージを拡張できる、お薦め本
「ローマ人の物語」全15巻を楽しみ返せる
「塩野七生『ローマ人の物語』スペシャルガイドブック」のご紹介です。
これは、「ローマ人の物語」全15巻の執筆、刊行が成り、それらを振り返り、エピローグのように余韻を楽しむためのガイドブックです。
全編写真が豊富、塩野七生さんを見出した編集者との対談、新潮社の塩野さんへのインタビューが掲載
全編写真が非常に豊富に掲載されています。この「スペシャルガイドブック」は、第Ⅹ巻の「すべての道はローマに通ず」もローマ帝国の今に残されているインフラ類(ローマ街道、水道、衛生や娯楽、教育、政治等に関わる建築物等々)を見事に写真掲載して楽しむ形にしてあるのと、軌を一にしています。
そして、塩野さんを見出したという中央公論元編集長の粕谷さんとの対談、新潮社編集部の塩野さんへのインタビューをも掲載しており、読み物としても充実して興味が尽きません。
第Ⅰ巻「ローマは一日にして成らず」から第ⅩⅤ巻「ローマ世界の終焉」まで
ローマ帝国の通史として書かれた「ローマ人の物語」第Ⅰ巻から第ⅩⅤ巻までを概観するように順番に主だった出来事や人物などを追っていきます。
ご参考までに、以下に十五巻の副題を掲げておきます。
Ⅰ ローマは一日にして成らず
Ⅱ ハンニバル戦記
Ⅲ 勝者の混迷
Ⅳ ユリウス・カエサル ルビコン以前
Ⅴ ユリウス・カエサル ルビコン以後
Ⅵ パックスロマーナ
Ⅶ 悪名高き皇帝たち
Ⅷ 危機と克服
Ⅸ 賢帝の世紀
Ⅹ すべての道はローマに通ず
ⅩⅠ 終わりの始まり
ⅩⅡ 迷走する帝国
ⅩⅢ 最後の努力
ⅩⅣ キリストの勝利
ⅩⅤ ローマ世界の終焉
これだけの長編をこの「塩野七生『ローマ人の物語』スペシャルガイドブック」では、読者へのサービスとして一通り振り返りを楽しみ返させてくれ、もう一度頭を整理し直させてもくれます。
そして先述しましたように、きわめて豊富な写真類の掲載により「ローマ人の物語」のイメージを大きく膨らまし直しもしてくれるのです。
お薦めをする所以です。
「ローマ人の物語」全十五巻の書評、関連記事は下記リストにまとめてありますので、ご興味のある方は是非そちらもご覧ください。
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