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「再度今年の金融情勢予想 年末の予想記事から」

年末年始に今年2023年の金融情勢予想に関しては記事にしましたが、いくつかさらに興味を引いた記事がありましたので、追加して今回記事にさせていただきます。

「2023年の世界経済はどうなるか」ハーバードビジネスレビュー

米識者三氏により記事ですが、
いずれもインフレを重く認識しており、デサイ氏は特に市場の認識の甘さを二度まで指摘し、ダイナン氏も金融市場の下落をひどく懸念しています。
また、いずれの三氏も、労働需給を問題視し、高齢者が労働市場に戻ってこないことが原因とみられるとしています。
また、さらにリスクとして、クライン氏は、FRBが市場の落ち着きを迅速に捉えることの重要性を指摘し、利上げが行き過ぎて景気悪化に行きつくことを懸念しています。

私は、これらは非常に妥当な認識と思っています。国際金融スジはまだ相場に関して甘い見方を続けており、そういう意味で下落余地がまだまだあるのではないかという気がします。
そして、意外に消費、物価及び労働市場の需給について高圧的で景気後退が懸念されるものの、FRBが早く情勢を捉えればうまく乗り切れるチャンスがある情勢にあると思います。

次に日本市場に関する悲観的な見方と楽観的見方の両方を挙げてみます

1)悲観サイド
『2023年の日本経済と金融政策を左右する米国経済』(野村総研)

題名が示すように、まあ、当たり前のことを言っているのかもしれませんが、米国経済に日本は左右される、ということを言っています。
為替について、円高に振れることで日本経済、株価がかなり下落するリスクについて言及しています。
この円高予想は、他の識者もかなりそう予想していますが、実際どうでしょうか?
記事を読むと、インフレ減速が米国の実質金利を増大し、景気悪化する、そして長期金利低下し日米金利差縮小で120円までの円高がきそうだと、言っていますが、
米実質金利増大なら、日米金利差拡大で円安ではないかと思います。
いつもこの人の記事は今一つピンとこないことが多く、どういう指向をしているのかわかりません。

2)楽観サイド
『「ばかげているほど割安」・・・2023年、日本株「爆謄」が期待できるわけ』(株式会社武者リサーチ 代表 武者 陵司)

この人はここのところ非常に日本株にポジティブなことを言ってきていますが、記事の内容的には、円安が国内投資、生産を増やし、増益、賃上げと経済の善循環を促し、日本国内は、これまで以上に債券より株式の魅力を増していく、そして自社株買い需要も増し、日経平均などの指標は大幅上昇する、ということを言っているようです。

これほどうまくいくのかわかりませんが、ある程度世界的に見た時に日本経済の優位はあり、増益として跳ね返ればやはり日本株は年央あたりから上昇してくる可能性があるというのが私の認識ですので、方向性としては整合しています。

共通的に言えることは米国の状況により影響有り

共通にいえることは、やはり米国の状況に影響を受けるということでしょう。これは当たり前のことで、そこの見方は非常に重要です。

冒頭のハーバードビジネスレビューの記事に示されている通りだと思いますが、意外にFRBはうまくやるのではないか、というのが私の見方です。
これは、もちろん難しい部分があるものの、昨年2022年のことを振り返ってみるとわかります。
昨年、実に三倍速利上げを4回連続するという非常に大きな反株価金融政策にも関わらず、ニューヨーク株は高値を維持しています。
これはFRBがかなり株価のことに神経を使っているということであり、これは今年も続くだろうと思います。一方で仮想通貨などは全部つぶしてしまおうという気でいるように見えます。

要はつぶすものはつぶし、大事にするものは大事にするということで、FRBは細心の注意を払いながら金融をコントロールしていくことになるでしょう。

もちろん、制御しきれず景気後退を招くリスクはかなりあるのでしょう。そこがまさに勝負ということになります。
そういう視点で今年2023年の金融情勢を注意に注意を払いながらみて、投資判断していくということが求められているのだ、そう思って気を引き締めて投資活動を進めていくということです。

皆さんのご健闘を祈ります。


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