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「ジャクソンホール会議パウエル議長講演予測の範囲」/円安定着は動かず、日銀金融政策継続しつつ正常化へシナリオ通り、米景気強く日本の金融経済中期的ポジティブ

ジャクソンホール会議パウエル議長講演は予測の範囲内

今朝8/26のニュースに、FRPパウエル議長のジャクソン本ホール会議の講演の内容が記事になっていました。

ある意味予測通りの、少しタカ派よりの内容で国際金融スジを揺るがすような驚きはなかったようです。
このため、相場は堅調な様子でニューヨークはダウもナスダックも上げて週末の取引を終えました。

このことも、パウエル議長の講演内容が予測の範囲内であることを示しています。

パウエル議長の講演内容要旨は少しタカ派、インフレはしつこい、景気が良すぎる、高金利続ける、まだ利上げは必要

先述のロイター記事によると、
・利上げは慎重に判断するが、まだ、金利は上限に来ているとは言えない。
・この一年利上げしてきてインフレが鈍化したのは良いが2%目標には程遠い。
・インフレ目標に到達する確信が得られるまで、必要なら利上げするし、高水準の金利を維持する。
・米国景気は個人消費が堅調で住宅セクター回復の可能性もあるとし、景気が想定通りに減速していない兆候を注視。要は景気が強すぎるということ。
・インフレの抑制のデータが2カ月続いていることは歓迎だが、労働市場の軟化だけでなく、景気減速しトレンドを下回ることが必要。
・インフレ目標2%の目標は今後も揺るがない、そのために制約的な金融政策スタンスを維持する。

以上のように、少しタカ派で予測の範囲だったということでしょう。

インフレ目標2%は断念せざる負えないほどインフレは続く、日銀金融政策継続しつつ正常化へはやりやすい環境、結果的に日本金融経済の中長期見通しも良い

こうしてみてくると、これまで通りの考え方をパウエルは言っていて、国際金融スジから見て予測の範囲だったことがよくわかります。
なので、昨日のニューヨーク市場はダウもナスダックも上げたということなのだと思います。
円安も少し進みましたが、中期的円安環境は揺るがないのではないでしょうか。

しかし、インフレ目標2%をつづけるということはマクロに見て、雇用環境が世界的にパラダイム転換したという事実に基づけば(詳細は下記の記事を参照ください)、かなり無理があると言えます。

間違いなく、いずれさるべき時点でパウエルもインフレ目標を変えざるを得ません。しかし、そう簡単にこれだけ言い続けてきた考え方を変えることは種々の既成事実から出来ることではないでしょう。
ですので、利下げというのは、確実にタイミングが遅れるという可能性が高いということです。
ココが重要です。
米国の高金利が想定以上に続く、ということは、円安環境は続く、ということであり、日銀がマイナス金利を脱し、金融政策の正常化へ進めるのに極めて良好な環境が続く、ということでもあります。
ということは、おそらくですが、日本でもインフレは構造的なものとなるが、それ以上に日銀の金融政策は緩和的に進めることができる、そういう良好な金融環境のもと、日本の金融経済はインフレに後押しされる形でこれまでと違う高い成長をする可能性が高いというふうに思われるのです。

これまで本コラムで示してきた日本の金融経済に対する中期的ポジティブネスは変わらず

結論的に、これまでこれまで本コラムで示してきた日本の金融経済に対する中期的ポジティブネスは変わりません。ますます事実の積み上げが重なってきているという状況です。

個人投資家の皆さんは、世界分散投資もいいですが、日本の市場にもっと着目して特にバリュー株投資で銘柄を選別し、長期投資を進められますようお勧めします。
(投資判断は個人の責任で行ったください、ということも変わらず付け加えておきます)




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