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「日本株への投資トレンドはしばらく続くか?為替と株の相関に注意」/円と日経平均の連動性について

為替と株価

このところ、株価が為替への敏感度を増しているように思います。
マクロには、一昨年末当たりからその傾向が顕著に出て来ているように思いますが、ここのところの敏感さは非常に大きいような気がします。
昨年からの円安で日本の株価が、大きく過ぎる円安は別として、左右されるような感じをお持ちの方は多いのではないでしょうか?

円安と日本経済

ただ、円安はこれまで本コラムで繰り返し述べて来ていますように、日本経済にとって基本的プラス要因です。経済安全保障環境が一変した中で国内製造業、非製造業への投資により、生産性向上、国内経済の活性化が齎されますのでこれまでの経済のトレンドがインフレパラダイムに転換したことと同期してより有利に働く作用が有ります。

このことは、日本株の中長期的ポジティブネスの根拠として本コラムで繰り返し論じてきました。
5月の急激な日本株の上昇も、海外勢がそこに着目して買いに入ってきたことによる部分が非常に大きいと思われます。

海外勢の日本株投資と為替

以前にも海外勢の投資と為替の関係について、引用記事を紹介したことが有りますが、海外勢は日本株投資に為替ヘッジを組み合わせてきたいることが基本にあります。
このため、株安になると円高に、株高になると円安に振れやすくなってきています。この春から5月には相当な海外勢の日本株への投資が行われたと考えられますので、日本株の上げ下げと為替の逆相関係数が益々上がって来ている可能性が有ると思います。

おそらく近々の株価と為替の相関の高まり、敏感性はこれに原因があるのではないかと私は踏んでいます。

海外勢の投資はしばらく続く可能性が有る

さて、日経平均は6/16(金)週末の終値の段階で、33、706円と年初の2万6千円から30%も上昇しています。5月だけで5千円近く上げています。
これは、いつも引用する豊島逸夫さんもコラムで度々書いているように海外勢が本格的に日本株への投資をし始めたことによるものです。
(近々では下記記事を参照)

米国の株の状況が依然バブル気味ですので、投資先として妙味から優先順位の高い日本株が買われていく流れはしばらく続くだろうと豊島さんも予想していますが、やはりそうなのだろうと思います。
わたしは、6月のFOMCで米国株が下がり、日本株も連れ安になると予想しましたが、それは外れたかもしれません。
しばらく日本株は上がると見た方がよいかもしれません。

今後の先行き

さて、こうなると為替自身の先行きについて考えていく必要があります。
現在FRBは年内あと2回の利上げを想定しています。国際金融スジですが、先週末の状況からみたとき、ロイターなどの記事でもFRBの予想と対立して残り1回の利上げを予想するのが大勢となっています。

ただ、いずれにしても米国は年内で利上げは終了する可能性が極めて高いと言えます。
そのとき、この物価高が予想以上に日本でも続くことが予想されますので、いずれ日銀は実質利上げか金融正常化の方向へ舵を切るのは間違いありません。

この日米あるいは日米欧の金融政策が交錯するポイントでこの趨勢が変わる可能性が有ります。
ただ、私自身は、中長期的な日本経済のポジティブな趨勢が変わることはないと思いますが、短期から中期の1年くらいのスパンの中で起きるトレンド変化という意味で、この金融政策の交錯するポイントを見ています。
その意味で、この短期の日本の株高は金融政策の交錯するポイントで変わる可能性が大きいと思います。

さて、個人投資家の皆さん、ここの金融政策交錯のポイントに注意して投資活動を進めていただければ、というのが今日の私の結論です。

皆さんの健闘をお祈りします。






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