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愛着行動 ~乳児は母親に栄養以外の何を求めているか~

皆さんは、「愛着障害」という言葉をご存じでしょうか。
最近、本校で話題に挙がる言葉です。
・どんな障害なのか?
・どんな対応をしていけばよいのか?
それらについて考えていく前に
まず、愛着と愛着行動について紹介します。

・愛着とは、特定の他者に対して形成する情緒的・精神的絆のことをいう。
・愛着の対象となる者との親密さを達成し、それを維持するための行動を「愛着行動」という。

愛着について詳しく調べるために
1958年にハーロウが
アカゲザルの
代理母実験を行いました。

まず、母猿から隔離した子猿に
肌触りの異なる無機的な
2つの代理母と接触させました。

・1つは針金でできた代理母
・1つは布で出来た代理母

針金の代理母のみに
哺乳瓶が取り付けられています。

子猿は一体どちらの代理母へ
愛着行動を取るのでしょうか。

実験の結果、ほとんどの時間を
肌触りのよい代理母のそばで過ごしました。
針金でできた代理母に接触するのは
ミルクを飲むときのみでした。

ここから、何が分かるのでしょうか?
愛着行動は肌触りがよく安全を確保できる
方を選ぶということです。

「針金の代理母」では
愛着形成が不十分であったと
いうことが、推測できます。
つまり、生理的欲求であるミルクで
お腹いっぱいになることは
愛着形成の主要因ではないのです。

それよりも
温かい肌での接触
つまりスキンシップにより
養育者は、子供が安全を
確保するための「基地」の役割を
担うことになります。

この実験結果から
スキンシップによる安心感が愛着形成に関わり
子供の安全を確保するための「基地」の役割
が養育者には求められているということです。

愛着形成が上手く行かなかった子供は
小学校に進学してくると
不適応行動を起こすことがあります。
発達障害と似た特性を有するのです。

それらの不適応行動の背景要因は何か?
愛着障害である場合、幼少期の
スキンシップが足りなかった可能性があります。

学校ではそれぞれ子どもの表出している
行動で対応は異なってくると思いますが
保護者との連携・協働は不可欠でしょう。

ぜひ、
保護者を責めず
子供を責めず
我々教職員を責めず
目の前の苦しんでいる子供にとって
最善の手立てを打っていきたいものです。

ハーロウのアカゲザルの代理母実験は
今行えば、動物虐待でとんでもない
問題になるでしょう。

実は
昔も相当な物議を
かもしたそうです。

私も、正直この実験を知り
いい気持ちがしませんでした。
皆さんは、どうとらえたでしょうか?

まずはスキンシップ。
子供を大切にすることが大切ですね。

私の娘も、日頃から
スキンシップを忘れないようにしたいと思います。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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