鵺の陰陽師37話感想

◆VSレベル3、佳境! 呼吸を忘れるほどの限界ギリギリバトル!

 サブタイトルは「淤刀」。
 前回で俺がレベル3幻妖を倒すと意気込んだ学郎。有言実行とばかりに周囲の影を吸収し、更にカラスの気配消しで奇襲をかける。このシーンがナレーション込みでカッコよく、気配消しという能力を上手く表現出来ていた。

 またレベル3も悪辣で、とにかく賢い。多分レベル3の脅威って実力以上に「知性がある」ことなのでは? と思う。小石を的確に傷口へ当てたり、学郎の能力を分析したり、人質を取ったり……タフさ以上に厄介で、そりゃあ精鋭の一旗がチームを組んで挑む必要があるワケだ。カラスがしつこいくらい逃げろと言っていたのも頷ける。

 そんな感じで奇襲を避けられた後、四訥とカラスを人質に取られてしまう学郎。レベル3に従いつつも作戦を考えているが、そのレベル3も考える暇は与えないと小石で遠距離攻撃。

 結局玉砕覚悟で突っ込み、レベル3の攻撃を受け止める。どうやら学郎の盡器は衝撃吸収能力、つまり耐久性も高いらしい。本当に高スペックだけど、相変わらず名前は不明。それこそ鵺さんが頼んでもないのに名付けてくれそうだけど、出し渋るのに理由があるのだろうか? 個人的な予想で『漆喰(しっくい)』『失黒(しっこく)』と書いておく。厨二病丸出しなのはご愛嬌。

◆生死を分つ、最後の一撃

 一方、四訥も人質にされたままじゃ終わらない。気合いで盡器の片手の拘束を破り、近くに生えていた気を切り倒して影を作る。学郎も根性でレベル3を振り払って(この時レベル3が驚くようなコマと、傷口にジワ、という擬音。単なる負傷のシーンか、厄ネタの伏線か?)倒木の影に到達。エネルギーの補充に成功する。

 その瞬間レベル3は人質戦法に切り替えるが──四訥はカラスの拘束も先ほど解いていた。気配を消して瞬時に迫る学郎と、持ち前の反応速度で対応するレベル3。互いに渾身の一撃を振り抜く直前で今週は〆。次号はセンターカラー。

◆まとめ

 正直言うとアクション面についてはあまり期待していなかったので、予想以上のバトルを見せられてかなり驚いている。良くも悪くもコマ数が多いので迫力には欠けるが、その分手に汗握る一進一退の攻防が伝わってきた。学郎の『影を吸収し撃ち出す』能力が視覚的にも設定的にも分かりやすく、ピンチとチャンスを演出しやすい。

 あとは単純に学郎のバトルが久しぶり(2巻の代葉戦が最後)で、ようやく見たい展開になったことへのカタルシスも大きかった。

 次号はセンターカラーで勢いは未だ衰えず。懸念点と言えば作者の川江先生の体調で、被災したにも関わらずセンターカラー連発は気に入らない。それだけ酷使するならある程度の連載保証は手に入ったと思いたいが、所詮はジャンプ編集部なのでアンケート結果が悪ければ問答無用で打ち切りになってもおかしくない。なので鵺の陰陽師ファンは気を抜かずにアンケートを出し続けましょう。

 本日はここまで。コメントお待ちしてます。

 

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