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検診での胃カメラについて

検診での胃カメラ、受ける人が増えてきているものの、まだまだ少ないのが現状。どうしても「辛い検査」という印象が強いし、どんなことをされるのかよく分からないから受けにくいって人も多い。受ける人がもっと増えれば、確実に早期発見できる確率が上がるはず。

1.口から(経口)と鼻から(経鼻)の違い

胃カメラを口からするのか、鼻からするのか。結論から言えば鼻からの方が楽。理由は嘔吐反射(カメラが通る時の、オエッとする反射)が少ないから。ただし、鼻の中が狭い人はカメラが通らず、鼻血が出たり痛みがあったりする。

経鼻の場合、使用するカメラは細径内視鏡と呼ばれ、直径5-6mmである。経口で用いる通常内視鏡は直径8-9mmと太い。太い分、画質が綺麗で、見たい範囲を拡大する機能がついていることがあり、気になる病変があった場合には詳細に観察できる。また吐血時等、止血処置が必要な場合、細径内視鏡では処置具が通らないため、通常内視鏡での検査となる。ただし、病院によっては、細径内視鏡を経口で使用して検査をおこなうこともある。病院の方針によって違う。

2.ピロリ菌の検査

ピロリ菌、聞いたことがあるだろうか。詳細については明日の記事で記載するが、胃癌や胃潰瘍の原因となる細菌である。感染しているかどうか、内視鏡で調べる方法には大きく分けて3つある。①迅速ウレアーゼ検査(RUT)、②培養、③組織診断、の3つである。主に行われるのは①迅速ウレアーゼ検査である。方法は簡単で、内視鏡検査中に、胃から2か所細胞をとってくるだけである。専用の液につけ、2時間以内に色が変わるかを見る。色が変われば陽性=ピロリ菌に感染している=除菌の対象、となる。除菌は1週間抗菌薬+胃薬の内服である。他の培養や組織診断は時間がかかるため、ピロリ菌の感染しているかどうかの判定目的に、検診で行われることは少ない。

3.生検(組織をとる検査)について

何らかの疾患が疑われるような異常(ポリープがある、潰瘍がある、など)が見られた場合、生検と呼ばれる組織の一部をとってくる検査が行われることがある。取ってくる際に痛みはなく、採取時に少量出血するが自然に止血することが大半。ただし、血をサラサラにするような、抗血栓薬と呼ばれる薬を飲んでいる場合、血が止まりにくいことがあるため、事前の申告が大事。休薬を指示されることもある。

4.鎮静

希望にて、鎮静剤を使用しながら検査を受けることが可能。ただし、全身麻酔ではないので、「ぼーっとした状態」での検査というイメージである。効き具合は個人差が大きく、完全に寝てしまって検査の記憶がない人もいれば、全く効かなかったという人もいる。また鎮静剤を使用した場合、検査した日は車の運転ができないことに注意。お迎えに来てもらう、もしくはタクシー等で帰宅することになる。もちろん、鎮静剤を使わなかった場合、車の運転は可能である。




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