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まぶたが痙攣したので病院を受診しました。

疲れた時、まぶたがピクピクした経験あるのではないだろうか。
瞼がぴくぴくするのは「眼瞼ミオキミア」と呼ばれ、通常数日から数週間で自然に軽快し、痙攣中でも目が開けにくくなることはない。一方、同じように目が痙攣する病気で眼瞼痙攣というものがあり、こちらは目が開けられなくあることもある。今回はこれらの、目に関する痙攣についてのお話。

眼瞼ミオキミア

上、もしくは下まぶたの一部のみがピクピクと動く状態で、通常片側に起こる。眼精疲労や睡眠不足などの肉体的な疲労だけではなく、精神的なストレスでも起こりやすいとされており、コーヒーなどの興奮性の食品や薬剤を摂取するも症状が強く出る場合がある。
数日から数週間で自然に治まり、目を開けたり閉じたりすることには支障をきたさないのが特徴である。十分な睡眠やホットパックなどで疲れ目を改善させてあげることが効果的である。病院を受診した場合、眼精疲労をとる成分配合の目薬(ビタミンB12配合の点眼薬。サンコバ®など)が処方されることもある。

眼瞼痙攣

一方、眼瞼ミオキミアとは異なり、目の開閉に支障をきたす痙攣が存在し、こちらを「眼瞼痙攣」と呼ぶ。

症状

中高年の女性においてみられることが多く、瞬き回数の増加として始まることが多い。そこから徐々に閉眼時間の増加が見られるようになるのが典型的である。ぴくつくだけならともかく、光に対して強い眩しさを訴える場合が多く、夜間の運転が困難になる場合が多い。

治療

治療の第一選択はボツリヌス治療である。
美容分野において、しわ取りなどで使われる「ボトックス注射」という治療を聞いたことはないだろうか。これは、ボツリヌス菌という細菌が作り出す毒素(=ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を注射するものだ。このボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があるため、目の周りの筋肉にこの注射を行うことで眼瞼痙攣を抑える治療がある。

飲み薬では、トリヘキシフェニジルやクロナゼパム、バクロフェン、ベンゾジアゼピン系薬剤などが用いられることがある。

について、最も基本的な治療対象筋は眼輪筋であり、症状に応じて皺眉筋、鼻根筋、鼻筋などへの投与も検討。
内服治療としては、ふるえが前景に立つ患者において、βブロッカーが症状の改善に効果的とする報告もある。

医学的な説明(読み飛ばしOK)

眼瞼痙攣は頭部ジストニアの1種である。
ジストニアとは持続性の筋収縮を特徴とする症状群であり、動作の異常あるいは姿勢の異常として観察される。
眼瞼痙攣の原因は未解明の部分が多いが、基底核からの異常な入力が瞬目や脳幹反射に関わるインターニューロンを過剰興奮させ、その結果発症するという仮説がある。

一部の患者では、筋収縮の持続が短く不規則であったり、間欠的で律動的に観察されることもある。軽症の場合、診察室では症状がはっきりしないこともある。強閉眼からの開眼や瞬目の繰り返しなどを行ってもらうことで診断につなげる。





まずは眼科を受診。

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