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ステラおばさんじゃねーよっ‼️㊳調査中〜双子の妹

👆ステラおばさんじゃねーよっ‼️㊳調査中〜探偵ブラック は、こちら。




🍪 超・救急車



真っ直ぐ見つめてくるひかりの黒い瞳に呑まれぬよう、ハンカチで汗をそっと拭い、さらなる事実をブラックは披露した。

「次の手がかりとしまして、カイワレ様が育った児童養護施設でかつて働いていたという女性の証言を得ました」

「どのような?」

「寮母の河愛 聖さんには、双子の妹がいました。数十年前に一度だけ、施設へ聖さんを訪ねて来たのを覚えていました」

「そう、それで?」

瞳がさらにカッと開かれ、ひかりの視線はブラックを射抜く。

「妹さんは幼児を連れて来て、そのまま立ち去ったそうです。そしてその子は施設で育てられました。それがカイワレ様だと、その元職員は申しております。そういう訳で聖さんの戸籍から妹さんに繋がるか、現在調査中です!」

顎をツンと上げた探偵ブラックの、去勢を張った口元から出た新事実。

カイワレに激震が走った。

聖先生には、双子の妹?

その人が、俺の母親?

つまり聖先生は、俺の…。

ポーちゃんは理解がついていかないのか、口を開けて上目づかいで天井の一点を見つめている。

ひそかにブラックは、ひかりとのヒリヒリした真っ向勝負に、たまらないエクスタシーを感じていた。

「さらに現在勤務している施設職員からの情報ですが、寮母だった聖さんは既に退職したそうです」

カイワレとポーちゃんは、バッと顔を見合わせた。

「なんで!?」

思わず口を挟んだカイワレを右手で制して振り返り、何も言わぬよう人差し指を鼻に当て、シーッとささやく。

それは、探偵ブラックのひかりへの忠誠心を暗に示すものだった。

「退職理由は?そして今どちらに?」

続けてひかりは訊ねた。

「どうも重いご病気だと。今は八雄市総合病院にて、入院加療中です」

「報告ありがとう。引き続き、聖先生の調査をお願いしますね」

「仰せのままに…」

ひかりに向かい、右手を腹部に当て左手は45度に広げたヨーロッパ貴族の一礼をすると、ブラックは視界から軽やかに消えていた。

⭐︎

「さてカイワレさん、報告のとおりです」

ひかりは、ふんわりとした笑顔に戻った。

「色々調べていただいて、ありがとうございます」

カイワレはブラックの報告の間、何度も血の気が引き、その場に倒れそうになった。

衝撃事実が満載で、息苦しくて会話も辛い。

「ウタの家族は、わたしの家族。当然の事です」

ひかりは平然と、カイワレにそう告げた。

「何と言ったらいいのか。あの、聖先生」

「あーっ!お腹空いたーっ!!」

カイワレの弱々しい言葉に斬り込み、ポーちゃんは言い放った。

「はいはい、わかっています。ばあや、ランチの支度をすぐにお願いします!」

老女の給仕は、ピンと背筋を伸ばしたまま軽く膝を落とし、

「準備できております。皆様、ダイニングルームへご案内いたします」

と静かに言うと、小さな体で応接間の重たいドアを開けた。

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