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こんにちは、キャリアコンサルタントのmoghedgeです。本日のテーマは『転職』。
今や、転職が当たり前の時代となり、私自身、クライアントの方から「転職を考えている。」「将来、今の会社にいるかはわからない。」といったお話を聞くこともしょっちゅうです。
そんな転職ですが、やはり計画性を持ってしないと失敗するのも事実。私が採用担当をしていた際にも、「この人、なんで転職したんだろう?」「転職しない方が良かったのでは?」という応募者の方もたくさんいらっしゃいました。

と言うわけで今回は、キャリアコンサルタントとして・元採用担当としての目線で、転職する前に考えて欲しいことをお伝えします。

1. 転職によって得るものも、失うものもある

あなたが転職を考えていると言うことは、恐らく現状に対する不満・もしくは今の職場では叶えられない願望があるのでしょう。
ですが、突発的に転職するのは危険です。なぜなら、転職によって失うものを、見落としがちだからです。

どういうことかというと、
例えば、

・人間関係は解消されたが、思ったより昇給率が低い
・給与は上がったが、トップダウンな社風で窮屈
・仕事内容は変わらないが、社員の年齢層が高く、気楽に話せる人がいない

などです。現状の不満を解決することばかりにフォーカスしてしまうと、他の項目を見落としがちになり、結果的に「前の会社の方が良かった…」と後悔することになるのです。当たり前だった環境が、他の会社にもあるとは限りませんからね。
このようなことにならないよう、特にこだわりがないと思っている項目も含め、現職における状況を分析し、転職する場合に求める条件をきちんと整理しましょう。給与が不満だから、給与さえ上がればOK!と言う考えは絶対にN Gです。
下記一例ですが、転職前に確認すべきことです。

・給与(昇給率、賞与、昇格の条件など)
・仕事内容
・勤務時間、平均残業時間
・働き方(出張の頻度、テレワークの有無など)
・福利厚生
・年間休日、有給消化率
・転勤の有無
・教育制度(研修、資格取得など)
・今後のビジョン

余談ですが、よくある勘違いとして、『週休2日』を『完全週休2日』と混同するパターンがあります。『週休2日』とは、月に1回でも休みが2日ある週があれば成立してしまうので、必ずしも週に2日休みがあるわけではないのです。また、面接での説明は、あくまで口頭なので、実際には違うケースも多々あります。内定通知書をもらって、よく内容を確認した上で、転職を決めてくださいね。

どんなに今の会社に不満があっても、別の角度で見れば他の会社よりも勝る点が見つかるかもしれません。まずは広い視点で、現状を分析してみましょう。

2.前職での不満は、転職先でも起こりうる

いくら転職前に求める条件を確認したとしても、会社は日々変化するものです。将来的に、またその問題に直面することがありうるのです。

・上司が嫌だから転職したけど…
転職先でいい上司に恵まれたと思っていたが、その上司が異動になり、後から来た上司が最悪だった。

・転勤がないと聞いていたけど…
転勤はないと聞いていたが、工場を移転することになり、勤務先が変わってしまった。

・仕事内容が魅力だったけど…
海外と関われることを魅力に感じ入社したが、数年後に海外からは撤退することになり、国内業務だけにになってしまった。

なんてことはザラにあります。今はあなたにとって魅力的な会社でも、10年後・20年後にどうなっているかはわかりません。それは現職も転職先も同じことです。こだわりを持つことも大事ですが、転職先での環境が必ずしも約束されたものではないことを理解しておきましょう。変化を受け入れていく柔軟性も、時には大切です。

3.本当に、それは問題なのか?

あなたが感じている不満ですが、見方を変えれば、メリットもあるかもしれません。

・上司がいちいち細かい
そのおかげで、仕事を細かいところまでチェックするようになった。

・研修制度が充実していない
そのおかげで、自分で考え・調べる力が身についた

・部署異動が多く、頻繁に環境が変わる
そのおかげで、業務経験が広がり、さまざまな人と関わることで視野も広がった。

このように、一見デメリットのように見えても、裏を返せば、あなたのキャリアにとってプラスになっていることもあるのです。
もちろん、いきすぎた指導・パワハラや、過度な残業時間・業務負荷など、劣悪な環境に対して、メリットを見出す必要はありません。(根性論の話はしたくないので… 笑)

ただ、一長一短という言葉もあるように、物事には良いことも悪いこともあります。本当に今感じている不満が、自分にとって100%マイナスなのか、一度立ち止まって考えてみるといいでしょう。

4.『逃げ』の転職をしようとしていないか?

1, 2, でお伝えした通り、不満を解消することだけを考えてしまうと、他の面でまた不満が出てしまったり、また同じ不満が転職先で起きてしまう可能性があります。
私が過去に面接をした方で、

「1社目は、仕事内容が思ったのと違ったので…
 2社目は、あまり給料が上がらなかったので…
 3社目は、上司と合わなかったので…
 4社目は、もっとスキルアップしたいと思ったので…」
 ※一部内容を変更しています。

と、様々な理由をつけて転職を繰り返している方がいらっしゃいました。「自分は将来どうなりたいのか」「何をやりたいか」といった未来にも視点を置かないと、現状の不満ばかりにフォーカスして、いわゆる逃げ癖がついてしまうのです。当然、そういった応募者の方は、面接官に思いが伝わらず、面接通過は難しくなります。

・給与がきちんと支払われない
・残業時間が月に60時間以上ある

など、客観的にみても、それは転職の理由になりうると思える事情であれば、面接官も納得する可能性はありますが、「そもそも入社前になぜ条件面を確認しなかったのか」「本人の会社選びに問題がある」などと捉えられるケースもありますので、安心はできません。
面接官は、あなたを雇うことによって、どんなメリットがあるか(能力面・意欲)を確認しています。自分はこれからどうなりたいのか?何をしたいのか?ご自身のキャリアについて、将来的なビジョンもきちんと考えましょう。そうすることで、仕事との向き合い方が明確になりますし、もし転職することになっても、面接官にきちんとアピールできるはずです。

転職が当たり前の時代になったとはいえ、無目的な転職を繰り返していては、あなたのキャリアにネガティブな影響しか与えません。まずはビジョンを描き、転職という手段がふさわしいのかどうかを、考えてみましょう。

5.仕事でやりがいを感じる必要はない

キャリアコンサルタントがそんなこと言って大丈夫?と思われるかもしれませんが、はっきり言って、仕事でやりがいを感じなくても、私は問題ないと考えています。

参考までに、フランスの話をしましょう。フランスでは、『仕事はあくまで生活の為』という考えが強く、5週間の有給休暇付与が国によって定められていたり、1週間の労働時間は35時間(日本は40時間)と、国全体でプライベートを重視する考え方のようです。フランスではバカンスをとる文化があり、毎年夏休みに3週間、クリスマスから年末にかけて1週間など、長期で休みをとって、家族やペットとのひと時を楽しむんだとか。

日本ではプライベートよりも仕事を優先する傾向がありますが、フランス人にとって仕事は生きる手段でしかありません。『もっと自分の人生を豊かにしたい』という考えのもと、働いているのです。会社に人生を捧げることを美徳としてきた日本とは、全く違いますね。

ですが、これだけ労働者が仕事の目的を割り切っているフランスの経済はきちんとまわっています。ですから、私は必ずしも仕事にやりがいを見出す必要はないと考えているのです。「長期休暇がとれる」「家から近い」「家事・育児との両立がしやすい」など、仕事そのものでやりがいはなくても、あなたの人生にとってプラスならば、それでOKです。

ただし、「仕事へ行くのがとてもツラい」「強いストレスを感じる」といった状況ならば、無理する必要はありません。楽しくてやりがいのある仕事、とまではいかずとも、毎日続けていても苦じゃないレベルの仕事へのジョブチェンジを検討しましょう。

もし、仕事にやりがいを見出せずに悩んでいるなら、その仕事が、あなたの人生にどう影響を与えているのかを一度考えてみてください。それがプラスならば、全く問題ありません。

6.まとめ

いかがでしたか?転職前に考えるべきことについてお伝えしました。記載した通り、安易に「これが嫌だ」「あれをやりたい」など、自分の欲望だけにフォーカスして転職を決めるのは危険です。多角的に現状を分析してから、本当に転職すべきかを判断しましょう。

最後に補足しておくと、転職は悪いことではありません!私も2回してますからね。笑
きちんと目的を持ってすれば、転職はキャリアアップにつながります。あなたのビジョンにマッチしているなら、ぜひ新しい仕事にチャレンジしてみてくださいね。

本記事が、皆様のキャリアプランに少しでもお役に立ちましたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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