見出し画像

あなたのキャリアは「川下り型」「山登り型」どっち?|それぞれの違いと強み・弱み

「川下り型(いかだ下り型)」と「山登り型」という言葉をお聞きになったことがありますか?

これらは、キャリア形成の2タイプを表現した言葉。あなた自身のタイプを知る為にも、将来のキャリア戦略を練るためにも、知っておくととても役に立つ考え方です。

今回の記事では、「川下り型」「山登り型」それぞれの特徴と、メリット・デメリットについて解説します。


川下り型・山登り型とは何か?

「川下り型」「山登り型」とは、リクルートワークス研究所の所長、大久保幸雄氏が、著書『日本型キャリアデザインの方法』にて提唱したキャリア形成の方法のことです。

※著書では、川下りではなく、いかだ下りと表現されてます。

川下り型キャリアの特徴

「いかだ下り型」「リバータイプ」とも呼ばれる「川下り型」。ここでは、その詳細について解説します。

具体的な川下り型キャリアの例

Aさんの例のように、川下り型キャリアは、流れに身を任せるように進んでいくタイプ。

「営業に配属になった」「経理部に異動になった」など、偶然の出来事を大切にしながらキャリア形成していきます。

後輩の指導経験を通じて、社員教育に興味を持つなど、経験を積みながら興味の範囲も広げていくことも特徴の一つですね。

川下り型の強みは、柔軟に対応できること
「川下り型」の強みはなんといっても、その柔軟性。

転勤・転職・結婚など、人生には変化がつきものですが、「川下り型」の方は、うまく目の前の物事に対処しながらスキル構築をし、やりがいを見出すことができるのです。

変化が激しいと言われるこの時代において、川下り型の柔軟性は、キャリア形成における大きな強みと言えるでしょう。


川下り型の弱みは、受け身なこと!?
「川下り型」に弱みがあるとすれば、流れに身を任せすぎて、受け身になりがちなところでしょうか。

会社の言われるがままに、やりたくない仕事を続けてしまったり、自分が何をしたいのか見失ってしまったり…

流れに身を任せることで、“自分のやりたいこと”とかけ離れた人生を送ってしまうリスクがあるのです。


川下り型のキャリアを送る上で大切なこと
「川下り型」キャリアを送る上で大切なことは、下記の通り。

  • 定期的に自分のキャリアを客観視する

  • 自分が大切にしたい価値観に基づき判断する

  • 時には、方向転換する勇気を持つ

ただ流されるだけでは、思わぬ方向へ進んでしまうことも。

自分がどこへ進みたいのか、流れと気持ちのバランスをとって、正しい方向へ進めるようにしておきましょう。

山登り型キャリアの特徴

「ゴールタイプ」とも呼ばれる「山登り型」。ここでは、その詳細について解説します。


具体的な山登り型キャリアの例

Bさんの例のように、山登り型キャリアは、明確な目標に向かってキャリアを形成していくことが特徴。「プロのサッカー選手になるために、サッカーの名門校へ行く」といった具合に、目標に対して逆算しながらキャリア形成するのです。

明確な目標があるからこそ、達成に向けての道筋がはっきりするんですね。


山登り型の強みは、目標達成の早さ・確実性
「山登り型」の強みはなんといっても、目標達成までの早さと確実性。

目標に対して逆算して行動していくので、寄り道をすることはありませんし、確実に目標達成に近づくことができるのです。

何かを成し遂げることにおいては、効率が良く、優れているタイプと言えるでしょう。


山登り型の弱みは、柔軟性の無さ!?
目標に一直線であるが為に、他がおろそかになってしまいがちな「山登り型」。

思い通りにいかない場合に強いストレスを感じてしまったり、目標達成した後に、強い喪失感に襲われたり…

明確な目標があるが故に、それに固執してしまい、柔軟に選択肢を持つことができないリスクがあるのです。


山登り型のキャリアを送る上で大切なこと
「山登り型」キャリアを送る上で大切なことは、下記の通り。

  • 突然の転機やトラブルも想定しておく

  • 目標は、状況に応じて修正も検討する

  • 時には未知の分野へのチャレンジもしてみる

目標に一直線に進むだけでは、キャリアが狭まってしまい、失敗した時のリスクも大きくなります。視野を広げたり、状況に応じて軌道修正する柔軟性も持っておきましょう。


川下り型・山登り型どっちが良い?

それぞれ異なる特徴を持つ、川下り型と山登り型。ここでは、どちらのタイプが良いのかについて解説します。

どちらのタイプが良いかは、自分次第
結論から話すと、川下り型と山登り型どちらが良いのかは、自分次第。

どちらのタイプが良い・悪いというのは、ありません。

シチュエーションごとのオススメのタイプもご紹介しますが、あくまで一つの参考例です。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、自分に合ったタイプを選びましょう。


キャリア初期(20代〜30代前半)は川下り型がオススメ
社会人になりたてのうちは、目の前のことをがむしゃらにこなす川下り型がオススメです。

いわゆる下積み時代なので、与えられた課題をこなすことで、基礎を磨くことを優先するのです。

その過程の中で、自分は何に向いているのか・何をやりたいのかを見出せる可能性もあるでしょう。


キャリア中期(30代後半〜)は山登り型がオススメ
キャリア中期は、山登り型がオススメです。なぜならキャリア中期は基礎を深めていくフェーズだから。

自分の強み(専門性)・やりたいこと(価値観)を活かせる夢・目標を定め、人生をより自分に合ったものにデザインしていくのです。


双方の良いところをミックスしたハイブリッド型もOK
川下り型・山登り型、双方の良いところをミックスしたハイブリット型もオススメです。

<例1>
流れに身を任せつつ、価値観の軸や、中期目標を持っておくことで、やりたいことから道がそれないようにする。

<例2>
明確な目標に向かって進みつつ、考えうる他の選択肢も持っておく。

もう一つの型を取り入れることで、それぞれの弱みを補っているようなイメージですね。

まとめ 川下り型・山登り型のそれぞれの違いと強み・弱み

今回の記事では、キャリア形成の方法2タイプとして、まず「川下り型」「山登り型」それぞれの違いと、強み・弱みについてご紹介しました。

また、どちらのタイプが良いのかについては、下記の通り。

  • どちらが良いかは、自分次第

  • キャリア前期は川下り型がオススメ

  • キャリア中期は山登り型がオススメ

  • 双方を組み合わせたハイブリッド型もOK

結局のところ、ご自身がどのような状況なのか・どうありたいのかによるので、どちらが良い悪いというのはないのです。

今の自分にはどちらの型が合っているのか。記事を参考に、ぜひ考えてみてくださいね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?