【エッセイ】エンパス!現実主義の母と私と幽霊と 18. 大地の波動と東日本大震災
アンテナみたいに人の念や見えざる者の波動をキャッチしてしまうエンパスだが、珍しい体験でいえば、私は寝ている時に “ 大地の波動 ” を感じ取り、予知夢として知らせを受けた事がある。
あの東日本大震災の前、三月に入ってすぐのこと、私は体感を伴う今までにない夢に驚き飛び起きた。
予知夢であれば私の場合、ザワザワドキドキした感覚が残るのだが、あれはドキドキどころの騒ぎじゃなかった。
突然 “ ゴゴゴゴッ” というすごい地鳴りが聞こえてきたと思ったら、その後すぐに骨にまで響く地響きと振動が私の体を揺さぶったのだ。
次の瞬間にはパッと映像が切り替わった。
夢の中では馴染みのあるお婆ちゃんの家に私と親戚達が集まっていて、そこで突如大地震が起こるのだ。
何だ何だとみんな顔を見合わせ大慌て。一ヶ所に集まっては縮こまり、肩を寄せ合い一様に上を見上げている。見ているのは蛍光灯の紐だった。その揺れ方をみて、「震度6弱ぐらいだね」だなんて話している……。
そこでパッと目が覚めた。
その時にはもう心臓がドキドキバクバクで、すぐに飛び起きた私は旦那のいる部屋へ駆け込んだ。そして開口一番「大地震がくる!」と叫んではヘタリとしゃがみ込んだのだ。
その日はしばらく余韻が残ったままだった。本当に地鳴りも地響きも振動もリアルに感じる夢だった。
だけどあの時はそれが絶対という確信はなかった。エンパスの自覚もなかった頃だし、予知夢を見たとしても未熟者ゆえに間違った解釈をしてしまう事も多々あったので、気になる夢ではあるが、実際どうなんだろう? と自分でさえ半ば半信半疑で……。
しかも夢を見てからすぐに地震がくる訳じゃなかったし、変わらない日常を過ごせば解ける様にあの時の感覚はなくなってくる。そうして半ば忘れかけていたところにあの大地震はやってきた
幸い私がいた地域に津波はこなかった。実際きた地震は震度6強で体が吹っ飛ばされるような強い揺れ……。冷蔵庫もタンスも本棚も家の中のもの全部が倒れてぐちゃぐちゃになる酷い有様だった。
キッキンにいた私は倒れてくる食器棚の下敷きになりかけたが、間一髪、旦那が手を引いて助けてくれた。そのまま揺れが治るまで庇うような体勢でいてくれて……。正直、あの時はちょっと見直した。
あれはきっと本能が働いたのではないだろうか。というのも、少し話がそれるかもしれないが、その時にはすでに私は霊界でのアドバイス通り、これまでの不思議体験や前世うんぬんの話を旦那に打ち明けていたからだ。
もちろん旦那は最初は怪訝な表情で、怪しむような態度だったが、前世の話をした時だけは何だか妙な反応をした。機械でいう一時停止みたいな感じになって言葉がスッと止まるのだ。
私みたいに何かを思い出す訳ではないが、忘れてる事を思い出そうとするような、記憶を探るようなそんな感じで……。
あれが魂の記憶に触れるという事なのだろうとその時は妙に納得した。そして確かにそれを言った事で旦那の態度も変わった気がする。
そんな中であの大地震が起き、偶発的にパッと旦那の潜在意識が飛び出たのではないだろうか。
あれは危機に晒された事で前世での立場、護るべき相手という本能が一時的にでも呼び起こされた結果だったと思っている。あの場限り、旦那は前世での臣下の姿に戻っていた。そして私はそんな旦那に助けられた。
話は戻るが、あの大地の波動と予知夢を、私はまた同じ月の末にも体験した。
また地鳴りと振動が私の体を振り動かし、パッと映像が切り替わり、前と同じような夢をみた。
お婆ちゃんの家に親戚達が集まっていてそこで地震が起こるのだ。
今度はみんな外へ飛び出し、落ちてくる瓦を見つめている。そして「震度5強ぐらいかな?」なんて話していて……。
そして翌月の四月七日、本当に震度6弱の地震が起きた。あれ以来、大地の波動は感じていない。
というか、その時思ったのが、なんか天界は一段階下に物事を伝えてくるなぁという事だった。どうもあっちとこっちでは受け止め方、捉え方に違いがある様で……。
何か大変な事でも天界側からしたらワンランク下というか、こっちでは大ごとでもあっちでは大したことないみたいな。
例えば子供が転んで「痛い痛い」と泣いて大騒ぎしているのを親が「はいはい、大丈夫だよ〜」と宥めているような。これは語弊があるかもしれないし、うまく説明出来ないのだけど……。
違いと言えば、あっちとこっちでは時間軸が違っているのも感じている。
あっちでの二十分がこっちでは半日だったり三日だったり、伸び縮みしているような感覚で……。
だから日にちや時間までピッタリ当てての予知なんて到底出来るはずないと私は思っていて、だから有名な予言者でも正確な日にちまでは書き残せないのではないだろうか。
それでもたまに、◯月◯日に地震が起こると予知をピタリと的中させる人もいる。それで一時期注目されたりもするけど、やはり当てられたのはその予知だけで、あとはだんだん見向きもされなくなってくる。
それだけ何月何日何時何分の正確な予知は難しいし、もし当たったとしても本当にそれはまぐれでしかないと思っている。
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