「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」と私

テリー・ギリアムがジョニー・デップを主演のような助演で「ドン・キホーテ」をモチーフにした映画を撮ると知ったのは、いつ頃の事だっただろうか。多分何かの雑誌の媒体で、大学1年か2年の頃。

その頃の私は、「シザー・ハンズ」や「妹の恋人」のようなちょっと変な人を演じて、バンド活動とかもやっているジョニー・デップが本当に大好きだった。あの有名な「winona Forever」と刺青を彫ってしまったちょっとおバカな所を含めて好きだった。

そして、あの頃の可愛いウイスパーボイスの歌姫、ヴァネッサ・パラディがヒロインとして共演すると知り、心が踊ったものです。

その頃、大学の先輩で「テリー・ギリアム」とか「モンティ・パイソン」が好きと言う人がいて、あんまり親しくなかったのにも関わらず話しかけて、

「テリー・ギリアムのドン・キホーテの映画楽しみですね。私、ジョニー・デップの変な演技がが大好きなので、期待してるんですよ」

的な話を無理やり話しかけて、勝手に盛り上がって会話をした事がありました。

そこから、色々あって、撮影が資金難とか撮影中の天災とかで中止になり、ジョニー・デップは、「パイレーツ・オブ・カリビアン」で、超高額俳優になってしまい、ヴァネッサ・パラディと子どもをもうけたり色々あって、一向に「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」のプロジェクトは進まなかった。そして公開された2002年のドキュメンタリー映画『ロスト・イン・ラマンチャ」を観て、まあこれでもう終わりかと思っていた。

まだテリー・ギリアムは「ドン・キホーテ」を作りたがっているとの報はあったのだけど、多分もう頓挫するか、テリー・ギリアム自身が死んでしまうかどちらかかと思っていた。

それが、2016年のカンヌ国際映画祭で、急にペイリンをキホーテ、アダム・ドライバーをグリソーニ、オルガ・キュリレンコを女性の主役に据え、2016年10月から撮影が行われる言い出し、本気なのか?と思っていました。そして、その後色々あって、キホーテ役がジョナサン・プライスに変更されたらしいけど撮影されて、なんと公開されてしまった。

私は、昨年末からアダム・ドライバーがとても好きな俳優として急浮上してきていたので、この映画公開は私に船でした。

まあ、あの頃のジョニー・デップとヴァネッサで観たかったという気持ちがないわけではないのですが…

内容は、とても満足、テリー・ギリアムらしさがいっぱいで、大好きなダメな感じのアダム・ドライバー沢山登場し、本当に二十数年の宿題をちゃんと観せてもらえて感動しました。とても面白かったです。

そして、この話のオチとしては、大学2年の頃、この映画の話をした大学の先輩とこの映画を観に行きました。

この先輩は、よくありがちな話ですが、そこから色々あって付き合って結婚した今の夫だったりします。そして、この宿題にはテリー・ギリアム好きの夫も満足したようです。

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