CoDプロ対抗戦SPRINGシーズン最終日、感想雑記

 Call Of Duty BOCWの日本一を決めるプロ対抗戦、そのSPRINGシーズン最終戦が本日行われた。期間にして2か月、回数にしたら4回の戦いの結果が決まる天王山である。そんな本日の目玉は「グランドファイナル」「3位決定戦」「最下位決定戦」の3つだった。

 先に改めて出場6チームを振り返ると、国内大会9連覇中のLV、BOCWになってからの成績では大本命のCAG、ロスター変更を経てメキメキ伸びてきているRUSH、APAC大会などで安定感のあるREJECT、復活の古豪SCARZ、新生FAV、である。第1回の感想記事ではこの順番にTier1~3であると書いた。そして、最終順位もまさかのこの通りになった。

 各チームここまでの戦いでメキメキと成長し、今日の試合はすべてがベストバウトと言っていいほどの完成度の高さだった。中でも意地と意地がぶつかり合う「グランドファイナル」「3位決定戦」「最下位決定戦」はすべて素晴らしい名勝負だった。

 まず最下位決定戦。負ければ「入れ替え戦」にいくことになる戦いであり、両チーム負けられないという想いが強かっただろう。組み合わせが古豪SZと新生FAVという最古参vs最新鋭の図式だったのも面白い。結果的にはSZが意地を見せて勝利したが、FAVの伸びしろはすごかった。特にHPは第一回とは比べ物にならない成長を遂げており、弱点から武器に変わっていた。入れ替え戦でも頑張ってほしい。SZとしては第2回、第3回とあと一歩及ばない戦いが多い中、今日は大事なところで勝ち切れた。ひとまずSUMMERシーズンまでの時間は確保できた形なので、ここで一気に成長できるといいだろう。

 3位決定戦のRUSH vs RCは、第1回から見てくると一番のライバル関係にあったチームの直接対決だったように思う。強いRUSHにRCが追いつけば、今度はRUSHが成長して追い抜く。やってやられての末に、今日の対決があった。さらに、RCにはCity Of NewYorkとGaliardがおり、WW2の時からRUSH相手に重要な戦いをやってきた二人は絶対に勝ちたかったのではないか。点数的にも、RUSHがLVから1本とったことで完全にイーブンとなり「勝った方が勝ち」だったのも運命的だった。

 結果はRUSH勝利だったが、最後のHPなど手に汗握る激戦だった。RUSHの勝因としてはGorou選手の冷静さとARらしいいやらしい動き、Sirius選手の新人らしい思い切りの良さがチームにいい影響を与えていたことだろうか。RCとしては得意のS&Dは取れたが、CTR、HPは押し切られてしまった。RUSHはS&D、RCはリスありの陣形と、両チーム課題は見えたと思うので、SUMMERシーズンに期待したい。あとWinRed選手は不完全燃焼のシーズンだったようなのでSUMMERでの人間離れにも注目だ。

 グランドファイナルは、鈴木ノリアキさんの言葉通り過去最高のレベルにあった。1戦目のHPは250-244、2戦目のS&Dは6-5と、あと一歩のところでLVが王者の貫禄を見せつけた。点数だけ見るとギリギリなのだが、思った以上に壁は高いと感じた。2戦を終えたCAGの選手たちの表情も暗かった。このままLVがいくのかと思いきや、CTRをCAGが0-3で獲り、すべては分からなくなった。新人のmoke選手の大活躍がチームをキャリーしたのだ。彼は第1回の時からすでにチームにフィットしていたが、第4回ではチームをキャリーするまでになっていた。彼の成長もまた一つのドラマであった。SUMMERシーズンでの活躍が最も楽しみな選手である。

 しかし、CAGの反撃はここまで。2回目のHPはxAxSy、inabaが無双状態となり250-183でLVが勝利、見事SPRINGシーズン優勝を果たした。リーダーのsitimentyo選手の的確なオーダー、GenGar選手の幽鬼のごとき裏どりと時折見せるSMGの撃ち合いの強さもすごかった。撃ち合い、連携、リス管理……王者のHPにスキはなし。これでS&Dも強いんだから手が付けられない。

 LVは国内10連覇。ここまで勝ち続けるチームは世界を見渡してもいないと思う。他のeスポーツタイトルでもいないんじゃないか。それも、明らかな一強ではなく他チームもメチャクチャ強い中での10連覇である。最後は見事すぎて拍手する手が腫れたレベルで拍手してしまった。優勝のリングもCWLっぽくてカッコいい。ぜひ、SUMMERシーズンの開幕戦では指にはめて見せつけてほしい。

 これからSUMMERシーズンまで約2か月の間がある。ここでどれだけ成長できるかで、来シーズンのTierは大きく変わるだろう。LVは王者として、他4チームは挑む者としてがんばってほしい。FAVは入れ替え戦を勝ち抜き、第6の挑戦者の座を射止めることはできるだろうか。あるいはまた新たな星が登場し、プロリーグに殴り込んでくるのだろうか。いずれにせよ、今後も日本CoDプロシーンから目が離せない。

 各選手たち、実況解説司会コメンテイターの方々、運営さん、その他関係者の方々、激熱な戦いをありがとうございました。SUMMERシーズンも楽しみです!

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