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7.27 きょうおもったこと

気の抜けたサイダーのよう梅雨長し

先日、柳家三語楼の『佃祭』を聴きました。この噺にある小旅行感が、とても好きです。

古くから、橋や井戸は異界とを結ぶ象徴とされてきました。ところが、落語の時代は、いまの中央区佃、佃島には橋すらかかっていませんでした。佃島に橋がかかったのは、戦後のこと。落語『佃祭』のように、約320年ここにあったのは、渡し舟。佃の渡し。ちなみに、わたしの住んでいる大田区多摩川も、矢口の渡し。渡し場があったところです。うちからさらに河口に4キロほど行くと、飛行場のある羽田の街です。

例年ですと、7月の最終土日は羽田神社の例大祭。

毎年、羽田の友人宅に行き、飲んで。神輿について歩き、飲んで。で、飲んで、飲んで…という頃合い。もちろん、今年は神輿の渡御もなく、さみしい夏。いまも友人と話してたのですが、なんとなく、気の抜けたサイダーのような、そんなこころもち。

この羽田の祭りが、また、小旅行のようで好き。ちょっといいほうの浴衣を着て、いい履物を履いて、いそいそと出かける。うちから20分足らずなんだけれど、かつての漁師町、いりくんだ路地を歩きながら、祭囃子や神輿のかけ声を聴いているうたに、パッと多摩川や海老取川に出ると、むこうが羽田沖…というのは、かつのはなしで、目に入るのは羽田空港と飛行機。

来年はやるでしょうから、そしたら、きっと来て。わたしも、きっと、いるから。

ひょっとしたら、モノレールの上から、通過する京急線から、環八を行くバスやタクシーから、そして、飛行機から眺めるだけの街だったかもしれませんが、気のいい人間がいて、いい時間が流れてるから。

約束ですよ。

書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。