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【食】サンドイッチのしごと

サンドイッチの語源を、いまさらここで、サンドイッチ4代伯のジョン・モンタギューから話すまでのことはないであろうが、いかにも、博打好きの考えそうな発想だ。当朝ではー当朝ときたね、またー鉄火巻といったところであろう。
でも、賽子団子や札揚げなんて食べものは聞いたことがない。
そもそも、鉄火場で食べられていた説は、少し出来すぎていて、マユツバである。
が、それぐらいのものは、食べたであろう。
いまでも、公営ギャンブル飯は雑で旨い。
私営ギャンブルはしらない。そっちのほうがすごいものが出てきそうだ。

「お客人…」

と、そこの行儀見習の住込の、ジャージ姿の若い衆にすすめられるのだろう。ずごい、すごい。

さて、サンドイッチ。

私は幼稚園から18歳まで弁当だったので、弁当というものが好きだ。冷めた弁当が好きだ。弁当は冷めているものだ、だから、出来たての弁当なんていやだ。むすびをたべるなら、朝むすんで、昼に食べる。

サンドイッチもそう。馴染ませる。馴染ませたほうが断然においしい。具とパンに一体感が出る。この一体感がなければ、サンドイッチではなく、ただの肉魚野菜のパン挟みではないか!と、サンドイッチ伯爵が言ったかどうだかは知らない。知らないが、多分彼は打つのでそれどころではない。だから言っていないと思う。

サンドイッチをつくってみましょうか。

・具材はシンプルに、しっかりと水気、汁気を切る

・クリームチーズやマヨネーズ、バター、マーガリンでパンを水分から保護

・ラップでしっかり巻いて馴染ませる

・ビネガーを使って具材の一体感を

わたしのサンドイッチはこんな感じ。
まぁ、これも、わざわざ言うほど特色もない。
あたりまえじゃねぇーか。ぐらいなもんだ。
強いて言えば、むすび、おにぎり同様、すぐに食べないでラップやホイルに巻いて馴染ませておくことぐらい。

あ、それから、例えばこの写真にある、ベーコンと春菊のサンドイッチ。春菊はベーコンの脂で炒めてあるが、その時に、ビネガーを少量、塩をしっかり入れて酸味と相殺する。このことで、パンと具材同士の一体感を生む。と、いうのは、大岡山のitokitoのサンドイッチで学んだこと。これ、全然違う。
ビネガー、酢はあくまで少量で。

パッと見てなんでもないようでも、クリームチーズとマスタードを塗って、黒胡椒ガリガリっとふってある。凡庸なようでも、ひとつひとつ仕事がしてあれば、これでもう、立派なゴチソーだ。

あとは昼まで、サンドイッチのことは忘れて、仕事や家事をしていれば、勝手に美味しくなるはず。忘れてったって、アタマの片隅にちゃんとある。

ありがたいことに、うちから5分も歩けば多摩川がある。屋上もあがれる。この分だと今年も、また、どこにも行けないゴールデンウィークになりそうだ。せめて、弁当をつくって公園でも。そうでなければ、窓を開け放って、家で食べるんでもいい。

どんな時にも、遊びごころを忘れずにいよう。

書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。