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【旅】迷子のススメ

粽のことを書こうとして、台南の旅のことを思い出していた。台南ではじめてひとりで入った店は、大量に粽がぶらさげられた、夜中までやっている粽屋だった。たしか、信義街に近い店で、夜コンビニまで台湾啤酒を買いに出て、ふらふらっと入った店だったな、と思ったら、海龍という店だということがわかった。店の写真を見たら、そうそう、この店って。

指をさして、ひとつって指をあげて、お金を払って、空いてるとこに座ってろって指をさされて、ちゃんとでてくるだろうかと、そわそわ待っているあの時間が好きなのだ。

もう一軒、台南でひとりで行くのが好きな店は、小公園担仔麺。ここは注文票があるから、注文も通りやすい。でも、やはり、最初に行ったときは、ドキドキソワソワして料理がくるのを待っていた。

海龍肉粽は信義街に泊まった時に、小公園担仔麺は水仙宮近辺に泊まった時に、ちょっと歩いて食べに行って、帰りに屋台で臭豆腐を買って、コンビニで台湾啤酒を買って。

どちらの店も、一緒に行った旅仲間に声をかけて、どう?旨いでしょ?って感じの店でもあるのだけれど、異国の街、夜の路地、あの心細さが好きで、財布ひとつもって「さんぽ。なにか買ってくるものある?」と出ていくのが、好き。

以前(まえ)にもここで書いたはずーところが、どれだけさがしてもみつからないーわざと、迷子になるのが好きなのだ。

迷子って、どこの誰でもない、その街の風景にとけこんでいるようで。

書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。