マイノリティとして生きる

 

大学時代、講義でマイノリティについて学ぶというものがあった。

その中で、先生が

女性もマイノリティ

だと言った。

あれから数年経っているが忘れられない。

今まで自分はマイノリティだと思ったことも、マイノリティという言葉について少しも考えたことがなかった。

それまで、私にとってマイノリティとは、もっと遠い存在で、特殊なものだと思っていた。

それが、ただ単純に少数派を指す言葉だとは思っていなかったのだ。


 
私は、マイノリティだ。

日本人で女性で発達障害者だ。

私は、この20年以上マイノリティとして生きてきた。

社会は、国は、私のようなマイノリティが基準ではなく、マジョリティが基準となっている。

マジョリティを日本で言うと、

“健常者で異性愛者の大和民族の男性”

だろう。

もっと言えば、右利きや両親に育てられてなども含まれる。

これが、マジョリティだ。

 


日本での実際のマジョリティ基準を見てみよう。

マイノリティの左利きの方がメジャーを使うとき、文字が逆さになったり、はさみが使いにくいなど。

マジョリティの右利き基準なのだ。

もちろん、左利きようのはさみなど近年では発売されているが、普及率はやはり右利き用である。

母が左利きなのだが、子ども時代、左利きだと結婚できないから右利きに強制的にさせられたこともあった。

これで、少しはマイノリティの立場がわかったのではないかと思う。

残念ながらもっと深刻な問題がマイノリティは抱えている。




ここ数週間、アメリカで黒人差別へのデモが行われている。

世界中の人が自分なりの意見をSNSなどで発信している。

日本は、黒人含め外国にルーツを持つ人がマイノリティで全国どこにでも多くいるわけではない。

だから、黒人差別は自分に関係ないからこの問題に考えなくていい。

そう思うのは私は貧しい人間だと思う。

別に主張しろなんて強要しているわけではない。

ただ、ニュース番組でまるで新型コロナウィルスがきっかけで黒人差別が発生しているように報道しているが、多くの人が知るように残念がらもっと根深いものである。

どの差別や迫害などマイノリティについての正しい歴史を少しでも知ること。

それは、この世界に生きる人間として必要なことだと思っている。

そして、私たちはこの歴史を繰り返さないように次世代へと伝えなくてはいけないのだ。



当事者のことを完璧に理解することはできない。

それは、当たり前のことだ。

あなたの感情があなたのもであること。

あなたが私を100%には理解できないこと。

それらと、同じである。

ただ、正しい知識を持っていてほしい。

そうすれば、今よりも社会がもっとマイノリティに優しくできるのではないか。

もっと生きやすくなるのではないか。



マイノリティとして生きてきて嫌だったことなんて数えきれないほどある。

女の子なのにそんな男みたい恰好して勿体ない。

女のくせに勉強してどうするんだ。

発達障害者は、子どもを産むな。

障害者は、必要ない。

など実際に私が言われたものやインターネットなどで目にしたものだ。

それでも私は、マイノリティとして生まれたことを後悔していない。



私が、同じ日本人女性でも発達障害がなく、所謂“健常者”だったら、障害者への差別などかわいそうの一言で済ましていたかもしれない。

私が男性だったら、自分には関係ないからフェミニズムを勉強しようなんて思わなかったかもしれない。

だけど、私はマイノリティとして生まれてきてよかった。

自分が、少数派だからこそ色々な問題に関心を持て、また自分の世界を広く持てているからだ。

そう思うのは、父親がマジョリティでそして、悲しいことに彼の世界がとても狭い人物だからだ。

私が健常者の男性だったら、その血をひいていて今軽蔑している人物になっていたかもしれない。



 私はこれからもマイノリティとして生き、マイノリティの問題に向き合っていく。

そして、この世が全ての人に生きやすくなるよう自分のできることを行っていく。




黒人差別問題や女性差別、障害者差別について書かれた記事を一つずつ紹介させてもらいます。
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黒人差別問題は、映像作品も多いので初めての方はそちらの方がわかりやすかもしれません。

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【解説】 なぜアメリカで大勢が怒っているのか 人種に関する3つのデータ


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「おっさんの認める範囲」では女性差別をなくすことはできない

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