トヨタの予防安全技術|vol.2 プリクラッシュセーフティ
4月から新生活が始まり、新たにマイカーを手にした方もたくさんいらっしゃると思います。毎日乗るクルマでも、知っているようで知らないことが意外とたくさんあるものです。最近話題の予防安全技術もその一つではないでしょうか。
いざというときにドライバーの安全をサポートするトヨタの予防安全技術の中で、特に事故低減効果の高い機能を融合した衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」。vol.1では その13種類の機能を簡単に紹介しました。
今回はその中の一つ〝ぶつからないをサポートする衝突被害軽減ブレーキ〟 プリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)について解説したいと思います。
プリクラッシュセーフティの基本
「死傷事故へとつながる、高速走行時の追突事故を防ぐこと」。それが、プリクラッシュセーフティの前提となる考え方です。「被害軽減」から「衝突回避」へ、さらに多機能化が図られ、着々と進化を続けています。ですが、運転はあくまで「人」が主体。ドライバーとともに危険を回避するのが基本。ということをまずは理解しておきましょう。
プリクラッシュセーフティのしくみ
天候が悪い時や夜間の運転時など幅広いシーンで、進化した「単眼カメラ」「ミリ波レーダー」「レーザーレーダー」それぞれの組み合わせによって異常を検知し、プリクラッシュセーフティが作動します。
作動内容を3つの状況別に説明します。
①衝突の危険があるとき[先行車検知]
⇒ブザー・ディスプレイ表示で警報
ドライバー自身がいち早く危険に気づいてブレーキを踏めるよう危険をお知らせします。
②ブレーキを踏んだ場合[衝突可能性・大]
⇒プリクラッシュブレーキアシスト作動
ドライバーがブレーキを踏んだ力をクルマがアシストします。
③ブレーキを踏めなかった場合[このままだと衝突が避けられない]
⇒プリクラッシュブレーキ作動
衝突の危険を検知しながらもブレーキを踏めなかった場合、プリクラッシュブレーキが作動します。
繰り返しになりますが、これはあくまで運転を支援する機能ですので、過信せず必ずドライバーが責任を持って運転してください。
作動シーンと低減速度で見る プリクラッシュセーフティ搭載車4種
プリクラッシュセーフティの低減速度は、作動シーンによって4つに分類でき、クルマによって搭載内容が異なります。下の表は、作動シーン別に見た低減速度を説明したものです(一部抜粋)。
プリクラッシュセーフティ搭載車を、4つの作動シーン毎に紹介します。
プリクラッシュセーフティは、作動し車両が停止した後約2秒で解除されます。
安全にお使いいただくために
運転者には安全運転の義務があります。運転者は各システムを過信せず、常に自らの責任で周囲の状況を把握し、ご自身の操作で安全を確保してください。
各システムに頼ったり、安全を委ねる運転をすると思わぬ事故につながり、重大な傷害におよぶか最悪の場合は死亡につながるおそれがあります。ご使用の前には、あらかじめ取扱説明書で各システムの特徴・操作方法を必ずご確認ください。
①有効に作動しないことがあるケース
悪天候(大雨・濃霧・雪・砂嵐など)のとき
車両姿勢が変化しているとき
歩行者・自転車の大きさが約1m以下または約2m以上のとき
歩行者・自転車が集団でいるとき
車両が横から割り込んできたり、飛び出してきたりしたとき
注意!
カラーコーンなどのプラスチック類や動物、オートバイ、木、雪の吹きだまりなどは検知できません。
②極めてまれに作動することがあるケース
右左折時に対向車とすれ違うとき
上り坂で道路上方に構造物(看板等)がある場所を走行するとき
※対車両[昼夜]・歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼]の場合です。詳しくは取扱説明書をご覧ください。
運転者自身でプリクラッシュセーフティの衝突被害軽減ブレーキ制御を試すことは絶対にやめてください。対象や状況によってはシステムが正常に作動せず、思わぬ事故につながる恐れがあります。
車種またはグレードによって、安全技術の名称や予防安全装置の設定が異なります。 各装備について、詳しくは各車種のカタログ、取扱書、販売店、またはWEBサイト(https://toyota.jp)をご覧ください。
次回は、「 パーキングサポートブレーキ」について詳しくお伝えいたします。
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