#9 2021年1月に聞いていたもの

タイトルのとおりです。マッドチェスターを聞くぞとかいう年始の意気込みは予想通り消し飛びました。

YURiKA - MIND CONDUCTOR

「さわやかなロック系のアニソンでおすすめはないかい」と友人に尋ねたところ返ってきた曲です。アニメOPでありながら、その作品(『リトルウィッチアカデミア』)については何も知りません。ただ曲だけを聞いています。

構成とサビのメロディが好きです。Aメロはつんのめったリズムのロックでわざとノリづらく作ってあるのですが、Bメロで少しづつまとまりが出て盛り上がりはじめ、サビで一気に明快なリズムの明るいポップになります。そのカタルシスがいいですし、サビの前半のB-C-Gという飛びのあるメロディ、後半の四つ打ちの感じも好きです。

完全な偏見ですがさいきんの邦ロックはちょっと前からのシティポップとかのブームを引きずったおしゃれ系が多く、こういうバンド+ピアノ+ストリングスとかでシンプルにまとめた曲が探しづらい気がしています。

アニソンに限らず、さわやかでシンプルなポップ・ロックをどしどしお待ちしております。

Antonio Vivaldi - La Primavera

YURiKAと並列にならべられて、ヴィヴァルディもYURiKAもびっくりしていることでしょう。とあるライブのBGMで『四季』が流れていて、改めていい曲だなと意識してしまいました。とにかくわかりやすい。

まず冒頭、明快なメロディを2回ずつ繰り返して完全に「こういう明るいやつです!」とわからせられてしまう。と思えば鳥の鳴き声を模したヴァイオリンソロで、日常的にはわかりやすくもありながら音楽的には面白さも保っている。この調子で一事が万事、シンプルなんですがアイデアに富んでいて飽きさせない。

いま”アーティスト”というと、感じたことを思いのまま表現する人たちというイメージがありますが、ヴィヴァルディの時代にそんな概念はなく、むしろ職人・裏方として依頼された場(教会、オペラハウス、貴族の社交場等)に最適なモノを提供する人たちだったようです。

もちろんそのモノづくりのなかに個々人の創意工夫が出るものなのですが、この曲を聞いていると作り手の感情より聞き手の反応が思い浮かぶというか、新鮮な気持ちになりました。

まとめ

ちゃんと聞いたといえるのはこの2曲ですかね。冷静にふりかえると、音楽に割く時間が思っているより少ない気がします。Spotifyにおすすめされるだけだと、自分の好きなもののなかで受動的に聞くだけであんまり好みが更新されないので、もうちょっと能動的にアンテナをはります。

その聞いた2曲は本当に共通点がなく、ここから自分のいまの音楽観をふりかえるのも若干難しいです。強いて言うとするなら、聞き手をどう思わせたいのかという観点が入ってきているような。

これは音楽以外の仕事でも日々意識していることでもあります。また、さいきん可処分時間をYouTubeでのお笑い鑑賞につぎこんでオーディエンス側の視点が養われてきた結果かもしれません。あと、年を重ねるにつれて、自分の自意識を塗り込むのもなんだかなあという思いも出てきているのもありそうです。



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