始まったお産、ユリル2回目の早産。
前回の続きです。
初めて破水した日から9日後、ついにユリルに変化が現れました。
朝、外陰部から、何かまた出てきている様子が、、。
はっきりとなにかはわからないけど、もういよいよ始まろうとしてるのだろうと察しました。
予定日があたっていれば、やはり早すぎるお産となる時期なのは変わりません。
不安です、でももう目の前で起きてる自然の営みに身をゆだねるしかありません。
お昼過ぎ、ユリルの様子がまた、さらに変化してきました。
食欲が落ちて、そわそわ。
独特の鳴き声。前回のお産の時に聞いた鳴き声。
手袋して意を決して内診。
赤ちゃんの頭のような固いものに触れました。
まだ膣内には下りてないけどだいぶ下がってる。
子宮口も空いてるような感じだし、産道がすごく柔らかくて広がってる。
お産が始まっている。
獣医さんに連絡し、ちょうど近くにいるからと、すぐにきてくれた。
その後、獣医さんの診察のときには、もう赤ちゃんはすぐ近くまで下りてきていた様子。
私も再び内診させてもらったら、赤ちゃんの口みたいなものがしっかり触れた。また、頭からか、、。(ヤギは足から降りてくるのが正常、頭からきたら介助が必要)
もう、このままだそう、と、すぐ介助の準備に入った。
私はユリルの体を支えて、頑張れ、と心の中で祈った。
獣医さんが、赤ちゃんを出すために子宮内に手を入れた。
奇形??いや、ちがうかも、でも、これは正常じゃない。
獣医さんが赤ちゃんに触れて、そう言った。
そうか、もう生きてうまれることはないのか、、
いままで、もしかしてそうかもと思っていたことがこの瞬間、現実となった。
出てきた赤ちゃん。
毛もまったく生えていない、つるつるの小さな未熟児。
完全に早産。外界で生きていくための力が全く備わっていない、助からない命。
しかも、さらに奥にもう一匹いるようだ。
きっと今この瞬間、中では生きてるだろう、でも、もう出すしかない、、。ごめんね。。
でてきた2匹のヤギの胎児。。
ユリルの2回目の出産は、双子の死産でした。
残念だ、生きてほしかった、でも、仕方ない。不思議と悲しみよりも、現実に納得して冷静な自分がいた。
出てきた胎児の成長度からして、事前の分娩予定日はだいたい当たっていました。今回は1か月早い早産。人間でいうと、妊娠7~8か月頃生まれたことになります。
前回の出産で生まれたリンクは、同じ早産でも2週間ほど早い早産でした。人間がきちんと管理して育てることで助けることができる可能性があります。(もちろん死んでしまうことも多々あります)
リンクは病気がちで小さ目ではあるけど、確実に強くなってきてるし、今も元気に生きています。
(↑ これは、去年2週間早く生まれたリンクの産後1日目の写真です。今回の1か月早い早産のヤギの写真は苦手な方もいると思うので載せてません。比較して見たいと、興味のある方は個人的に連絡ください)
人間でも2週間の差はとても大きく、ヤギはさらに胎内の成長速度が人間の2倍なので、2週間違うと全く結果が違います。
人間は、医療の進歩で、何とかなることが増えて、無事に産まれることが当たり前ではないにしろ、出産は何とかなると思っている世の中になっていると思う。
動物のお産を経験すると、原点に立ち返らされて、いろいろ考えさせられます。
今回子供たちの春休み中の出来事だったので、子供たちにも見せました。
何を感じただろう。
ヤギの早産は、産後は胎盤が出にくいようで、少しづつしか出てこなくて、ユリルのからだの回復も1回目よりもゆっくりでそこは産後数日心配でした。
早産の時は、胎盤停留と産褥熱に注意が必要だそうです。
1回目のお産の時は胎盤もその日のうちにきれいに自然にでたけど、今回はボロボロのものが少しずつしかでてこなくて、後陣痛も長引いたのか、ユリルは一日に何度も、しゃがんで、中のものを出そうとするしぐさを見せていました。
だいたい3~4日でようやく全部出た感じでした。
今回はユリル、胎盤食べてました。前は全く興味なしだったので。
おっぱいはパンパンだけど、さわれないからそのまま。つい、自分と照らし合わせて死んだ赤ちゃん横目にオッパイ張るのは辛いなあ、、とか思っちゃうけど、きっとヤギはそこまでは思わないんでしょうね。
1ヶ月くらいで発情が復活するとのこと。
1年に2回出産できるポテンシャルを持っているヤギ。
まだ若いユリルなので、また機会があれば、かわいい子ヤギちゃんに会える日がくるかな。
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