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気づけば日曜夜に

先月初旬に、英語で書いた論文をとある雑誌に投稿しました。この原稿は6月からぽつぽつと書き始め、8月から本腰を入れて取り組みました。
私は遅筆なので、原稿を書くのにほとんど夏中費やしたことになります。その査読結果が先日返ってきて、残念ながらリジェクト(掲載不可)になりました。

私たち研究者が論文を発表する際には、長い手続きを踏む必要があります。まず論文を雑誌に投稿すると、雑誌の編集者が論文に目を通し、論文の質を大まかにチェックします。
この時点で内容があまりにお粗末な場合や、雑誌側の関心と論文の内容が合わない場合には、理由と共に掲載不可の連絡が来ます(これをエディターキックと呼んだりします)。

論文の内容が雑誌の趣旨に合っていると判断された場合は、査読というシステムに従い査読者に論文を読んでいただき、研究の妥当性や論旨に矛盾がないかを見てもらいます。査読は論文の内容が理解できる同様の分野の研究者が複数名 (大体3人)で努めます。
査読者は論文に関する意見と、細かい内容の指摘をまとめて雑誌の編集者に結果を伝えます。
素晴らしく良く書けており、ほとんど手を加える必要がなければアクセプト(掲載可)、直す必要がある場合はその量に応じて修正する旨が伝えられます(これをメジャー或いはマイナーリバイスと呼びます)。そして、残念ながら論文に致命的な欠陥があったり、大幅な直しが必要な場合はリジェクトとなります。
編集者は査読者全員の意見をまとめて最終判断を下し、著者に結果を伝えるわけです。査読者は大体奇数なので、基本的には多数決で結果が決まります。が、雑誌の編集者の意見が反映される場合もあります。

さて、長くなりましたが今回の私の論文の場合、査読者は三人で1人はマイナー修正を要求、1人は修正箇所を指摘しつつ、判断は他の査読者と編集者に任せるとのことでした。しかし、最後の一人が内容を痛烈に批判し、編集者も同意したため残念なことに敗退となったわけです。

少々奇抜な手法を用いているので、もめそうだなとは思っていましたが、まさかリジェクトされるとは思っていませんでした。査読結果のコメントを読みながら、最初は凹んでいたのです。が、「お前の主張が本当に正しいと思っているなら、全くちゃんちゃらおかしいぜ?驚かずにはいられないよ!」や、「お前が注目して展開している話は、ただの誤差なんだぜ?何故気づかない?」なんてコメントを読んでいると、だんだんと怒りが湧いてきます(ただの逆切れってやつです)。
「そっちがそういう態度なら、こっちにも考えがある。つけ入る隙も無いぐらい修正して再投稿するからね!首を洗って待ってろ」っと意気込んでいたのが金曜日の夜。しかしPCを開いては閉じ、をこの週末繰り返し結局何もせぬまま日曜の夜を迎えてしまいました。

来週こそ、来週こそ直しますから…