#読書記録「アシンメトリー」

アシンメトリー―遠藤由季歌集 (かりん叢書)

食べ物の歌に心惹かれがちです。

芯のあるさみしさ寄りて来るときの硬き蹄に似たる足音

とちおとめ煮詰めて女にしてしまう朝ごとに塗るジャムの艶めき

あおあおと夕闇は来て赤い服着たわたくしは燃えさしとなる

麻婆豆腐貪る君の傍らでライスは汚れやがて消え去る

アヲハタのリンゴのジャムを塗りながら行くはずだった信濃を想う

卵卵卵卵卵卵卵卵卵卵値上がりをしてひとパック三百円

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