今夜の映画
聖者たちの食卓(2014)
原題: HIMSELF HE COOKS
シク教の総本山、ハリマンディル・サーヒブ。そこでは、毎日10万人が同じ食卓を囲む。巡礼者や旅行者にも無償で提供されるその食事は、朝靄に包まれた農村の風景から始まる。
監督: フィリップ・ウィチュスとヴァレリー・ベルトー夫妻(ベルギー)
時間: 65分
ジャンル: ドキュメンタリー
AmazonPrimeでフィーチャーされていたので視聴してみました。音楽やナレーション一切なしのリアルドキュメンタリーですが、その題材と映像はとても新鮮で目を奪われるものがありました。じゃがいもを掘る農民、にんにくの皮をむく女性たち、手を合わせて祈る老人、大釜をかき混ぜる青年、皿を受け取り聖堂へと雪崩れ込む人たち、そして一斉に繰り広げられる食事。こういう風景が自分の生きている世界に存在するということにまず驚くのですが、不思議なのは、こうした行事に近いもの(あるいはその本質)は、どこか遠い国の行事に限らずとも、私たちの近くで、それこそ日常的に存在しているのではないかと感じたことです。この映画を見た直後、わたしは図らずとも、自分の身の回りの人たちに改めめての感謝の念を抱いていました。人間のもつ相互扶助の精神と、数珠のようにつながった無償の奉仕によって成り立つ彼らの食卓が、そのような感情を抱かせたのかもしれませんが、少なくとも、わたしのいるこの日本社会にも、彼らの行いと同じ性質(それはおそらく通貨というものが介在することで多少意味合いがずれているのかもしれませんが)が内包されている、あるいは、そうあってほしいと切に感じたことは確かです。
特にオススメの人
インドに行こうと思っている人
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