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【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月12日(火) 19日目:お母さん

朝 夫が看護師に電話をした時、
昨晩  Oral and Maxillofacial Surgery の医師が長男の顔をビデオに撮りにきた、また術後の状態を診るためにCTスキャンも撮ったとの報告があった。

医師の朝の巡廻は11時前後が多いので、今日は朝9時に家を出発。10時過ぎに病院に着いた。

病室では長男がベッドの上でいつものように虚ろな表情で寝ていた。
声をかけると目を開けた。
手にはいつものように医療用のボクシンググローブ。体にはベッドに固定する服が被せてある。

夫が看護師に昨晩のCTの結果を聞くと、顔右側が腫れてるようなのでステロイドを投与したとのことだった。左に比べ右側の動きが鈍かったようだ。

しばらくするとtrauma team の doctor の巡廻が始まった。
doctor は長男が順調に回復してると話した。この調子だと、リハビリに行けそうだ、とのこと。

その後、ICU team の doctor の巡廻。
長男の投薬プラン等を話し合っていた。

昨日よりも長男の agitation は私が見る限り、少し収まってるようにも感じた。
が、手をバンバンとベッドに打ち付ける。
外してくれ、という合図なのだろう。
「ごめんね。これを外すと看護師さんと医師に怒られるから外せられないのよ」と伝える。

すると
「オカアサン」「オカアサン」
と息子の声が聞こえた。
気管切開もして、顎もワイヤーで固定されているので声を出すのが難しいが、「オカアサン」と聞こえた。

息子の側に行き、
「何?」
と聞くと
「イマ ナンジ」
と言っている。時間を教える。
「キョウハ ナンニチ」
と聞いてきたので
「今日は4月12日よ。昨日は11日でおばあちゃん(私の母)の誕生日だったのよ。あなたは3月24日に交通事故にあって、もうすぐ3週間よ。ずっと病院にいるの。」
と伝えた。

長男が自分から私を呼んでいることに驚いた。
昨日まで agitation が酷く、長男はこのままこの状況が続くのだろうか?と心配していたところだった。

ベッドの側にはナースコールのボタンがある。
長男が私に”押せ”と合図をする。

看護師を呼ぶと長男は、手にはめられたグローブを外してほしい、と伝えていた。もちろん外してもらえないが。

看護師は長男に
「何か話したいことはある?」
と聞くと
「doctor  clear 」
と言っていた。
そう、医師がいつ自分にOKサインを出してくれるのか聞いていた。
看護師は丁寧に説明する。

「plan of action」
と長男が聞くと、看護師が再度丁寧に説明をする。

声がなかなか出せない状況で必死に今の状況を知ろうとする長男。
長男自身はまったく正常な状態なのになぜベッドの上に縛られているんだ?という心境だろう。

今日も何度もベッドから出ようと試みたが、監視ビデオから
「***(長男の名前) don't get out 」
のアナウンスと同時に警告音が鳴る。
看護師がやってくる。

この光景、見慣れてくると逆に面白くもなってくる。
長男と看護師とのゲーム。

午後3時に病室を出て家に帰る。
「明日も来るからね」
と長男に伝える。

自宅に着き、病院の case manager から電話。
今週中に24時間看護のリハビリ施設に移動する予定だという。
この話を聞き、夫がICUの担当看護師に電話。
すると、長男は看護師の言うことを理解し、その結果 今は医療用グローブを外しているとのこと。
看護師も長男はリハビリ施設に行く準備は出来てるだろう、とのこと。

長男の劇的な progress に驚いた。
明日、長男に会うのが楽しみだ。




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