休みの日にしたいことがわからなければ他の人を真似してみる
休日って何したらいいかわからないんだよね。
休みってそんなにもらってもね。したいことないんだよね。
社会人になってからよく聞くようになった言葉だ。私が記憶している限りでは学生時代、こういう会話はあまり聞かなかった気がする。
多分、社会人になってから聞くようになった理由は、休日何してる、という質問を聞かれることが多くなったから。どんな人なのか知りたい時、仕事の以外の時間をどう過ごしているのかを聞くのが一番手取り早い。
でも、意外と休みの日に何したらいいのかわからない、という回答はちらほら聞く。
先日もドラマを見ていたらこんな台詞が出てきた。
退職したおじいさんのセリフである。
1日が長くてな。
何をしたらいいのか…。
-ナビレラ第一話より-
私自身はこう言った言葉とは比較的無縁だった。
かつては一通り家事を済ませた後、近くのカフェにコーヒーを飲みに行ったり、近所のジムでヨガのレッスンを受けに行ったり、友達に会いに行ったり、近所のマッサージ屋さんに行ったり、数駅先のスーパー銭湯に足を伸ばしてみたり…長期休みになれば必ず海外に足を運んでいた。
振り返ってみれば、それなりに充実した休日を過ごしていた。
自由に出かけられた頃の話である。
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コロナが流行してからというもの、今までやっていたことのほとんどがちょっと難しくなってしまった。休日に何をしたらいいかわからない、というのはコロナになって初めて経験したことの一つかもしれない。
気がつくと暇つぶしのスマホのゲームで時間が消えていく。
ゲームだって楽しいのであれば別に問題はないのだけれど、余った時間をつぶす以上の目的も感情もないので、なんだか人生を無駄にしてしまったような空虚感だけが残る。
助けになったのは、周りの人たちの何気ない連絡である。
ジムをやめた母が、youtubeにいいヨガ動画があるというので、ジムの代わりに試してみることにした。
朝用、夜用、ダイエット用。動画の長さも短いもので5分、長いもので30分と選びやすいし続けやすい。
年の近いイトコが、NETFLIXのドラマが面白いという。
あまりに勧めてくるので、時間もあるし、試しに契約して見てみると、なるほど、脚本も細かい伏線が多くて見応えがある。
コロナを心配して久しぶりに連絡をくれた友達に最近K-POPを聞いている、と話すと、ちょうどNHKでこれから語学講座が新しく始まるよ、と教えてくれる。
その後、土日に1週間分の講座を聞き逃し配信で勉強するようになった。今は初級講座を一通り終えたので、ネットで探したオンライン講座を受けている。
少しずつ聞き取れる歌詞やドラマのセリフが増えてくると、これがもっとわかるようになったらもっと楽しい、という自分への期待感が膨らむ。
妹からは新しいネイルセットを買ったとラインが入る。私は手先が不器用なので、普段はネイルはせず、友人の結婚式の時にネイルサロンでキレイにしてもらうぐらいだったのだが、シールを貼ってライトに当てるだけだという。
リモートで仕事をする時、手先がキレイだとテンションが上がるというので、真似して買ってみた。季節に合わせてテーマを作ってネイルをすると、タイピングをしながら爪が目に入る度に心が楽しい。
自分が確立したスタイルがポッカリとなくなってしまった時は途方に暮れたが、素直に人の話を受け入れて真似してみると、意外と新しい世界が見えてくる。
あまり歓迎したい状況ではなかったかもしれけれど、こういうことはきっと今後もあり得ることだ。外の環境の変化かもしれないし、自分の身体の変化かもしれない。でも、それまでの楽しみができなくなってしまっても、きっとまた新しい何かを探し出せる。
この1年間は、そのための練習だったかもしれない。
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最近人から影響を受けてやってみたいと思っていることは、自転車に乗って出かけること。
少し前に好きなアーティストから自転車をテーマにした曲が出た。
元々ファンの間では、自動車免許を持っておらず、いつも自転車を漕いでいることが有名だったのだが、今回ファンのために自転車ソングを作ってくれたのだという。
歌詞は実際に自転車であちこち行きながら書いたらしい。
インドアな生活を送って一年強、外に出たくなったのだろうか。通勤はバスと電車、買い物は徒歩で事足りていたので、自転車は随分と乗っていない。
リモートワークになってからは、ほとんど徒歩で移動できる範囲しか出掛けていなかったが、聞いていると、久々に風に髪を梳かれながら、徒歩よりちょっと遠くまで自分を運んでいってくれる自転車に乗りたくなってくる。
季節は生憎、雨が多い時期。その後もしばらくは暑さでサイクリングという感じでもないかもしれないが、カラッと晴れた秋の日のために、今からレンタルサイクルを探しておこう。
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