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連続不合格からの合格〜2022年2月中学受験の記録〜

2月1日から本格的に試験の始まる東京・神奈川の中学受験。


この間、本番を翌日に控えた1月31日の過ごし方を記事にしました。

今日はその後。

いよいよ本番を迎えてからの2月の次男ツー太と私たち親子の記録を
シェアします。


ざっくりお話しますと、非常に苦しい戦いでした。

その様子は受験が終わった直後のこちらの記事にも書いています。

今日は、少し角度を変え、
落ち続ける日々の中で
どうツー太と私たち親子が受験期を
乗り切ったのかを綴ります。

では、どうぞ!



プロローグ

我が家は志望校を偏差値で選ばなかった。
本人の「ここに通いたい」という意志を最優先にして決めた。
1月の埼玉県受験で1校合格をもらっていたのもあり、
安全校なしの状態での併願だった。

そのような状態だったので、2月に受験した学校は 持ち偏差値よりプラス5〜10の学校。

もともとチャレンジの状態だったので、 2月5日まで合格がない状態での戦いが続いた。


2月2日

1日に受験をした本命校と
第2志望校の合格発表がある。

本命校はツー太が受験塾に通い始めてから
4年間、ずっと行きたいと言っていた“熱望” 校だ。

偏差値的にいちばん合格の可能性が高い1日受験の結果が出る。
そしてここで合格が出れば、ツー太の中学受験終了となる。

結果発表はいずれも昼すぎ。

まずは本命校。

午前中の受験を終え、帰宅したツー太が
ひとりで学校のウェブ上で確認する。

部屋にこもるツー太。
私たちはリビングで待っていた。

待つ間、静かな時間が流れる。

ほどなくして見終えたツー太が部屋から無表情で出てきて
静かに「どうぞ確認してください」と言った。

不合格。

その流れで確認した
第2志望校も不合格だった。


その時のツー太は特にショックを受けているようにも
落ち込んでいる様子も伺えなかった。
かといって
「次こそやるぞー!」というやる気に満ちあふれているわけでもない。

勉強もせず、長男ワン太とキャッチボールなんかをして、
あっけらかんとしているように見えた。


不合格という結果を見た私は、全く後悔もせず、冷静でいられた。
まだ「どこかでまだチャンスはあるはず、大丈夫」だという
楽観的な気持ちがあったのかもしれない。

ただ、目の前のツー太が結果を受けても、勉強せずにいることに不安を感じていた。
「あんなに行きたかった学校に落ちたんだから、ここはさすがに勉強するべきじゃない?」
と言いたくなるのをグッと堪えた。



2月3日



この日も2校、合格発表があった。

いずれも不合格。

この結果を見た後、ツー太の様子が変わった。

こちらに顔を見せない。

「こっちにおいで」

そう声をかけたら、抱きついてきた。

「そうだよね、悔しいよね」

と声をかけると、シクシクと泣き始めた。

しばらく経って、泣き止みはしたものの、
ソファーに横たわったまま、背を向けている。

声をかけてもグズグズ言って完全に気力を失った状態。

もうここで受験を辞めて、1月に合格をもらった埼玉校に
通うことにしてもいいのかもしれない。

こんなことを考えながら、
塾の先生、個別指導でお世話になった先生に連絡をした。

個別の先生からは

「泣いているのは、お母さんへのアピールとして泣いているのか、本当に悔しくて泣いているのか。
受験を続けるかどうかも、お母さんも自分が受験を続けさせたいのか、子どもが受験を続けたいのか。
どちらにせよ、1人で考える時間をとって、冷静に見極めましょう」

そう言われた。

一人で考える時間を。

確かにそうかもしれない。

「ママ、出かけてくるね。これからどうするか一人でゆっくり考えてみて」

そうツー太に声をかけ、出かけようとした。

すると、

「出かけなくってもいいよ」

とぶっきらぼうに言い、私の手を握った。

そうか、そばにいてほしいんだ。

そう感じた私は家にいることにした。

しばらくして泣き止んで少し冷静さを
取り戻したツー太が、
私の部屋に来て、ベッドでゴロゴロし始めた。

私も隣に並んで、一緒に横たわる。

こちらに背を向けているツー太に

「一応、明日も受験に行くつもりで、ママは準備しておくね。 でも当日の行く時になってやっぱり受けたくないって思ったら、 行かなくてもいいからね」

と伝えた。

「うん」

とだけ返ってきた。

その声の様子から、少し安心したような気持ちでいるのが伝わってきた。

そのまま一緒に毛布にくるまり、二人してぐっすり寝た。

しばらく寝たら、気持ちの整理がついたようで
いつものあっけらかんとしたツー太に戻っていた。




2月4日


前日に泣いたことですっきりしたようで、
元気に受験に向かうことができた。

さすがに後がないと思ったのか、
午後は翌日の試験に向けて勉強をした。

ギアが一段階、切り替わったのを感じた。

勉強している部屋を覗くと
普段、勉強を見ている長男ワン太がこう声をかけているのが聞こえた。

「明日はとにかく記述を埋めて来い。
もうどうせ最後。
怖い◯◯先生にも答案を添削してもらうこともない。
俺らも見ない。
落ちたら◯◯中学の先生ももう二度と合わない人たち。
だから、何を書いても関係ない。
何でもいいから埋めて来い」

と。

ワン太は比較的いつも冷静で、感情的になることがない。

そのワン太がここまで熱い言葉を弟にかけているのは珍しい。

それに対して、ツー太も

「分かった、負けない」

と言った。

いつもあっけらかんとしてどこか本気を感じられないツー太の
力強い言葉に、「これなら大丈夫だ」と感じさせられた。

その後、第2志望校の合格発表を見る。

残念だった。



2月5日


試験。

「今日は自分史上最高の答案が出来た!」と言って会場から出てきた。

帰宅後、ツー太が見せてくれたのは、
今まで見たことがないくらい真っ黒になった問題用紙。

これまでテストのたびに解き直しをするように言っても、
さらーっとしか見直さず、
余った時間をボーッと過ごしてきて
がっかりさせられた。

そのツー太が試験時間いっぱいまで、
解き続け、見直し、あがいた様子が
ヒシヒシと伝わってきた。

成長したな。

そう感じた。

**
**

その日の夜、ツー太と一緒にお風呂に入った夫がこう聞かせてくれた。

「ツー太は中学に対して不安があるらしい。
中学校って転校できるの?と。
初めての場所に一人で入っていくことに対して不安があって、
中学生活にワクワクできないみたい」

そっか、ツー太なりにいろいろと考え、不安になっているんだ
と知った。

きっと受験が始まってからも、
あっけらかんとしているように見えて、
いろんな感情と戦っているのだと。

不合格の文字に涙したことも、
自分史上最高の答案を仕上げてきたことも、
ほんの数日の間にぐんぐん変わっていくツー太の
心の核心にほんの少し触れた時、
息子としてではなく、一人の人として尊敬できた。



2月6日


夕方。

いよいよ最後の合格発表。

1月の埼玉校の“合格”の文字を見たときのように
私がパソコンを開き、家族全員で発表を見た。


“合格”



さーーっと
心のモヤモヤが晴れて、うれしくてうれしくて興奮した。


これでやっと受験が終わったという開放感と喜びを味わうことができた。

何よりも、自分の力で合格を勝ち取ったツー太の喜ぶ様子が
うれしかった。



エピローグ

1年経ったいま、ツー太は第2志望の学校に通っている。
ずっと叶えたかった野球部に入り、
「もう朝練きついよー」と文句を言いながらも楽しそうだ。

今日は2月1日。
入試のため、学校は休みだ。

クラスの男子数人で、スポッチャに行くと言う。

こんな楽しい日がくるなんて
1年前の自分に教えてあげたいよ。
早く後輩が入ってこないかなー

とウキウキしながら。



終わってみて思うこと


読んでいただいてありがとうございました。
最後に、終わってみた今だからこそ感じることを
書きたいと思います。

1つ目は併願の作戦について。

我が家の中学受験は、併願の兼ね合いで、かなりリスキーなものになってしまいました。


1日の午後や2日に安全校を受験し、早めに合格を持っておこう

というセオリーをよく聞きます。

合格がない中、戦い続けるのはメンタル的にしんどいから。
塾の保護者会でもそう言われました。


いま振り返ると、本当にしんどかったです。


もう一度、やるならばもう少し安心できる併願戦略を取ると思います^^;



2つ目は、2月に入ってからも子どもは伸びるというのは本当だということ。

うちの場合は、学力というよりもメンタルが成長したので、
それが結果に結びついたパターン。

2月に入ってからも勉強をしていたら、学力も伸びたのかな?

我が家は、勉強を見ていたワン太が
「直前に詰め込んでもそんなに変わらない。
1,2問、気になる問題だけ見直しとけば、
勉強する必要ないんじゃない?」

と言っていて。

まあ確かに、連日1〜2の入試をこなしている中、
脳を休めることも大事だろうとも思ったので、
勉強はせずに過ごしたわけで。

解けなかった問題が解けるようになる!
もあるかもしれないけれど、
それよりも「何が何でも受かりたいんだ!」の気持ちが強くなって
それで行動が変わって、点数に結びついた感じです。

落ち続けてやっと現実に目が覚めて、覚醒するっていう。。。
男子だからなのかな。

親として心がけてたこと


ただ、親として心がけていたのは、
親が動揺しないこと。

動揺しそうなときは、文字に書いたり、家族に話したり、塾や個別の先生に相談したりして、子どもには伝わらないようにしました。

そして、これは我が家の方針ですが、
いつもどおり子どもの意志を尊重すること。

親は「こうした方がいいと思うよ」「こう感じるよ」は伝えるだけ。

受験をするも辞めるも、
勉強をするもしないも、

本人に決めてもらいました。

そうすることで、不合格が続いた日々も、

必要以上に家族の不安が連鎖して、
ツー太のメンタルが崩壊したり
体調が悪くなったり、
プレッシャーから問題に冷静に取り組めなくなったり

することなく、乗り切ることができました。

**
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これから受験をする方には、
皆さん、さくっとサクラ🌸が咲いてほしいと思います。
でも「なかなか決まらない」って方がいらしたら、
こんな人もいるんだよってことが参考になればと思います ^ ^



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