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《烙印融合》でブラマジデッキは強くなったのか?【遊戯王マスターデュエル】

※この記事で使用している画像はすべて『遊戯王マスターデュエル』の
ゲーム内のものを引用しています

序文

皆さん、こんばんは。
遂に先日、遊戯王マスターデュエルのショップ更新が行われましたね。
先月はビートルーパー先行収録とかいう謎の枠に潰されましたが、今度こそブラマジデッキ待望の新戦力《イリュージョン・オブ・カオス》が……

新パックの中身

来てねぇじゃねぇか!!!!!!
いや、まぁ、百歩譲って、他のカードが優先的に実装されるのはまだ分かる。ブルーアイズ新規だってブラマジ新規と同じぐらい望んでた人いるだろうし。
ただ……

今回の諸悪の根源

なんでこいつが先に来てんだよ!!!!!!
《イリュージョン・オブ・カオス》が収録されている『BATTLE OF CHAOS』は2021年10月16日発売。
対して《烙印融合》が収録されているストラクチャ―デッキ『ALBA STRIKE』は2021年12月4日発売。
『BATTLE OF CHAOS』のパッケージイラストにもなっているカードを差し置いて《烙印融合》が収録されるというね。不思議でしょうがない。

……と、まぁ、思うところは多々あるのですが、来てしまったものはしょうがないので、今回はこのカードとブラマジデッキの相性に関する話です。

知っている人は知っていると思いますが、かつて《烙印融合》が最初に登場した時、それはもう大騒ぎで、デッキ融合を許していいのかとか、墓地に落とせるカードの幅が広すぎるとか、割かし散々言われてました。この頃はまだ《捕食植物ヴェルデ・アナコンダ》が生きてましたしね。
ただ、実際使ってみると《捕食植物ヴェルデ・アナコンダ》からの《烙印融合》が《真紅眼融合》や《フュージョン・デステニー》より強くなかったり、素引きした《烙印融合》の「このカードを発動するターン、自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない」という制約が厄介だったりして、結局そこまで使われなかった印象があります。

ただし、そんな中でも《烙印融合》を出張気味に使えるデッキというのが、研究が進むうちにいくつか発見されたりもしました。
【ブラック・マジシャン】デッキもそのひとつです。
このデッキはメインギミックがEXデッキを多用しない点に加え、デッキの性質上《ブラック・マジシャン》をサーチするか墓地に落とすかしないと動き始めることすらできないため、《烙印融合》で《ブラック・マジシャン》を融合素材にする動きがデッキとかなり噛み合っています。
この点に着目して《烙印融合》を採用したブラマジデッキは俗に【烙印ブラマジ】と言われ、大会にもちょくちょくいたとか。
まぁ、紙の方の【烙印ブラマジ】は《イリュージョン・オブ・カオス》も使えましたけどね、えぇ。

……若干話が逸れましたね。
なにはともあれ、一応《ブラック・マジシャン》と相性がいいと言われている《烙印融合》が今回実装されたので、実際のところどうなのか、軽く一晩ほどランクマッチで試してみました。
その感想というか、所感のほどを語っていこうと思います。

デッキレシピ&カード解説

【烙印ブラマジ】

【ブラック・マジシャン】デッキの基本については過去の記事を参考にしてもらうとして、今回は《烙印融合》関連で増えたカードだけ簡単に紹介。

《烙印融合》

端的に言うと《フュージョン・デステニー》や《真紅眼融合》と同じ"デッキ融合"と呼ばれるタイプの融合魔法カード。
デッキから融合素材となるカードを墓地へ送ることで融合モンスターを融合召喚します。ほんと意味わかんないですよね。
おまけに、このへんはまた後でも語りますが、融合モンスターの融合素材が"光属性モンスター"だとか"闇属性モンスター"という緩い縛りのため、実質的に特定のモンスターを墓地へ送るためのカードとしても使用可能。
これでデッキから《ブラック・マジシャン》を墓地へ送るのが基本的な動きになります。

ちなみに、《ブラック・マジシャン》を別の方法でサーチ可能な場合(または既に《ブラック・マジシャン》を手札に持っている場合)は《ブラック・マジシャン・ガール》や《マジシャンズ・ロッド》などを墓地に送る選択肢があります。
前者は《魂のしもべ》の②の効果によるドローの枚数を増やすことができ、後者は相手ターン中に自身の②の効果で墓地から回収することができます。

《アルバスの落胤》

《烙印融合》の融合素材となるモンスター。
基本的には手札に来ると腐りがちな1枚なので枚数は2枚と抑えめ。人によっては1枚採用もあるらしいですが、それだと《烙印融合》の2枚目以降が完全に腐るので、安定性を取って2枚にしてます。
ゲームの中盤以降なら手札に来ても最低限の役割は持てますしね。

《神炎竜ルベリオン》
《烙印竜アルビオン》

《烙印融合》から出せる主な融合モンスター。
細かい違いはありますが、どちらも融合召喚した時に更なる融合召喚を行うモンスターで、このカードを仲介して後述する《氷剣竜ミラジェイド》や《捕食植物ドラゴスタペリア》などに繋ぐのが基本的な動きになります。

また、小テクですが《神炎竜ルベリオン》のコストで手札の《ブラック・マジシャン》を墓地へ送れるのは常に意識しておいた方がいいですね。これによって《烙印融合》で何を墓地へ落とすかの最適解が変わってくるので。

「こおりけんりゅう」って打たないと変換できない

《烙印融合》のゴール地点その1。
ターン1で場のモンスターを除外する効果と、場を離れた時に遅効性のリセット爆弾を置いていく厄介なモンスターです。
特に②の効果が強力で、場のモンスターを問答無用で除外するだけでなく、コストにした《烙印竜アルビオン》などの効果で後続まで確保できるのが本当に強いです。
ただし、③の効果が自分の《永遠の魂》の効果に巻き込まれて場を離れた場合には誘発しないので、このデッキと噛み合っているかと問われると微妙なところ。フリーチェーン除去も《黒の魔導陣》で出来ることですし。
どちらかというと、後攻からの捲り札や、先攻で十全に動けなかった時の最低限の展開として使うことが多いですね。

《捕食植物ドラゴスタペリア》

《烙印融合》のゴール地点その2。
《黒の魔導陣》では対処できないモンスター効果の無効化効果を内蔵しているので、先攻でそれなりの動きが出来ている時はこちらを出すことが多いです。

《竜騎士ブラック・マジシャン》

《烙印融合》のゴール地点その3。
場に《黒の魔導陣》と《永遠の魂》があり、手札か墓地に《ブラック・マジシャン》まできちんと揃っている場合はこいつを出します。
このカードは自身を《ブラック・マジシャン》として扱う擬態効果と、自分の場の《黒の魔導陣》《永遠の魂》を除去から守る耐性効果の2つを持っており、このカードと《ブラック・マジシャン》に効果耐性を与える《永遠の魂》の2枚でかなり強固な盤面を敷くことが出来ます。

ただし、この2枚だけだと相手の展開に干渉できないという弱点も存在します。過剰なぐらい《竜騎士ブラック・マジシャン》の場持ちがいいので、他にもう1枚《ブラック・マジシャン》がいないと《黒の魔導陣》エンジンが機能しないんですよね。《マジシャンズ・ロッド》もドラゴン族である《竜騎士ブラック・マジシャン》はリリースできませんし。
100点満点の動きが出来ている時の上振れボーナスって感じですね。

《灰燼竜バスタード》

最初は《氷剣竜ミラジェイド》の②の効果のために積んでいたカードですが、意外と高打点が見込めるので普通に融合召喚するパターンのが多かった1枚。
当然ですが《アルバスの落胤》の融合先でもあるので、素引きした《アルバスの落胤》で相手のエースモンスターと融合する場合もあります。《神炎竜ルベリオン》や《烙印竜アルビオン》は残ってない場合が多いんですよね……

なんだかんだ半年ぐらいデッキに居座ってるやつ

《烙印融合》を使う以前から《黒魔術の秘儀》や《超融合》の融合先として使っていたカードですが、今回《アルバスの落胤》や《烙印竜アルビオン》が現れたことで、また別の方向性で使うことになりそうな1枚。
重要度で言えばさほど高くないんですが、《烙印融合》絡みの融合と《黒魔術の秘儀》による融合の両方に対応してるので一応採用してるって感じです。

さっきからユーリ関係のカード多いな

素材縛り無しリンク2でデッキから《烙印融合》を打てるやべーやつ。
といっても、このカードの制約で《神炎竜ルベリオン》や《烙印竜アルビオン》からの連続融合は出来ないため、普通にこのカードと《アルバスの落胤》で《氷剣竜ミラジェイド》を直接融合召喚するのが主な使い道です。

《エフェクト・ヴェーラー》

実はこのカードも《烙印融合》絡みで増えたカードです。
というのも、ブラマジ関連カードだけだと《烙印竜アルビオン》を融合召喚できないんですよね。闇属性ばっかりなので。
特に、ゲーム中盤以降になると《神炎竜ルベリオン》の手札コストを払いたくない場合も多々あるので、そういう時に必要な1枚。

《烙印融合》採用型の強み

《ブラック・マジシャン》を墓地に送れる
ここまで何度も言ってきたことですが、デッキ融合の際に《ブラック・マジシャン》をデッキから墓地へ送れるのが《烙印融合》を使う最大の理由です。
【ブラック・マジシャン】を紹介する度に言っているような気がしますが、このデッキはとにかく《ブラック・マジシャン》《黒の魔導陣》《永遠の魂》の3枚を揃えることが重要になってくるので、そのうちの1枚を探しつつ別個で強いモンスターを用意できるというのは非常に大きいメリットです。
また、《ブラック・マジシャン》を直接墓地へ送れるという点も優秀で、特に《魂のしもべ》が確定サーチカードに変わる点は見逃せないですね。
先日の禁止改定で《金満で謙虚な壺》が制限になり、デッキの安定性が大分危ういことになっていたんですが、今回のこれで大分持ち直したかなーと思います。でもやっぱり《イリュージョン・オブ・カオス》があれば一番良いなって

《捕食植物ヴェルデ・アナコンダ》からの《氷剣竜ミラジェイド》
当然と言えば当然ですが、このデッキを長く使っていく上で《ブラック・マジシャン》《黒の魔導陣》《永遠の魂》の3枚を毎回きちんと引き込むというのは無理な話です。
《ブラック・マジシャン》《永遠の魂》を揃えるので精一杯という時もあれば、手札誘発ばかりで全く展開できないという場合もあります。
そんな時に、とりあえずモンスターを2体並べるだけで最低限の妨害を用意できるというのは、それなりに心強いです。

また、この《氷剣竜ミラジェイド》というカード、単体でも普通に強いです。
モンスター除外効果はもちろんですが、③の「場を離れたらターン終了時に場のモンスター全破壊」という能力も相手に対する牽制として非常に強力。
なにせ、このカードを場から除けたら最後、しっかりとライフを詰めなければ場に何も残らないわけですから。
かといって、ほどほどの妨害だけ立ててターンエンドと言われたら、それこそこちらの思惑通り。もともとロングゲームが得意な【ブラック・マジシャン】の土俵に向こうが乗ってくれた形になるので、あとはじわじわ《黒の魔導陣》と《永遠の魂》で相手のリソースを削っていくだけです。
いずれにしても、相手からすると対処が難しいカードなので、これが上手く回らなかった時のサブプランで出てくるというのは中々に恐ろしい話です。

後攻からの捲りが強化される
【ブラック・マジシャン】デッキは人によって採用カードがそれなりに分かれますが、基本的には《永遠の魂》や《マジシャンズ・ナビゲート》などを主軸とした、いわゆる【罠ビート】に分類されるデッキです。
そのため、先んじて罠を張れる分だけ先攻時に強く、罠カードの遅さが致命的に響く後攻時に弱い。それがこのデッキの常です。
しかし、《烙印融合》は魔法カード1枚で瞬時に上級モンスターを呼べるだけでなく、融合モンスターから更なる融合召喚を行うことで、あっという間に上級モンスターを並べることが出来ます。
そのため、事故り気味な相手に対して《烙印融合》から一瞬で8000打点を用意して早めにとどめを刺したり、複数体並んだ相手のモンスターを普通に戦闘で打ち取りにいったりと、それなりに柔軟な動きが出来るようになりました。
じゃあ後攻からでも勝ちに行けるデッキになったのかと問われると、またそれは別問題なんですが、まぁ、少なくとも、最初のコイントスで裏が出ただけで頭を抱えることはなくなるかなーと思います。

《烙印融合》採用型の弱み

融合召喚縛りがキツい
《烙印融合》のデメリットである「このカードを発動するターン、自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない」が、致命的ではないまでも無視できないレベルで辛いです。
というのも、以前まで召喚した《マジシャンズ・ロッド》はリンクモンスターに変換することで《マジシャンズ・ロッド》の自己回収効果を使えるようにしていたんですが、《烙印融合》を使うとリンク召喚が出来なくなるため、場に出した《マジシャンズ・ロッド》がそのまま場に棒立ちの状態になるんですよね。ロッドだけに

②の効果を使いたい

これは《ブラック・マジシャン》をサーチするために特殊召喚した《マジシャンズ・ソウルズ》にも言えることで、《烙印融合》を絡めて展開した時の盤面はどうにもごちゃごちゃしがちです。
《烙印融合》で強いモンスターを出せてはいるので強い盤面には違いないと思うんですが、そもそも《永遠の魂》がデッキの中心となっている以上、あまり強大なモンスターに頼ってもしょうがないですし、それならこの場のモンスターで《見習い魔嬢》でも出した方が強いんじゃないかと思うことも少なくないです。

例えばこんな感じ。ロッドを使いまわして《黒の魔導陣》を探したいところだが
《烙印融合》のデメリットでそれが出来ない。

《アルバスの落胤》素引きが辛い
普通に手札で腐ります。
召喚権は《マジシャンズ・ロッド》と奪い合いになりますし、そうでなくても先攻時に出来ることが何もなさ過ぎてびっくりします。
一応、ゲーム中盤に相手のモンスターと融合することは出来なくもないですが、それも《フュージョン・デステニー》パーツを突っ込んだ時の《D-HERO ディバインガイ》よりはマシかな程度。
3枚の有効牌を増やすために2枚の不要牌を入れなければならないと考えると、なんだか微妙な感じもします。

必要なパーツが軒並みUR
デッキの強さがどうこうという話ではないんですが、この《烙印融合》を始めとするコンボパーツを揃えるのに7000ジェムと120URCP溶かされたのが地味にキツかったです。
……まぁ、先月《ガーディアン・キマイラ》1枚引くためだけに9000ジェム溶かされたのを思えば、まだ可愛い方だと思いますけど。結局引けなかったし。

結局のところ、どうなの?

強いことには違いないと思います。
少なくとも《氷剣竜ミラジェイド》や《捕食植物ドラゴスタペリア》が魔法カード1枚で出せるのを弱いとは言えないですよね。
また、【ブラック・マジシャン】との噛み合いという観点から見ても、動き出しに必要なパーツをサーチできる鬼強《おろかな埋葬》なので、現状《烙印融合》以上にデッキに噛み合う出張パーツは無いような気がします。

ただし、今後もし《イリュージョン・オブ・カオス》が実装された場合、《烙印融合》と取って代わる形になりそうな予感もしています。
《烙印融合》で強いモンスターを出せることよりも《イリュージョン・オブ・カオス》で安定して強いブラマジの布陣を敷ける方がデッキとして強いので、《イリュージョン・オブ・カオス》を《儀式の準備》と合わせて4~5枚採用した上で《烙印融合》パッケージに割ける枠が残っているか、甚だ疑問ではあります。

とはいえ、それはあくまでも将来の話で、今のところは《烙印融合》以上のカードがあまり見当たらないので、筆者はしばらく【烙印ブラマジ】にお世話になろうと思っています。

まとめ

いかがだったでしょうか。
正直、結論が当たり障りない感じに収まってしまったことが若干消化不良ではあるんですが、流石に弱いとは言えないんでね、このトンデモパワーカード。
ただ、手放しで強いわけじゃなくて、いくらか噛み合いが悪いところもあるよってことだけは念押ししておこうと思います。特に《マジシャンズ・ロッド》の件は本当に出来ないと辛いので。
それでは、また。

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