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[詩]時間〜サイゼリア哀歌〜

時間というのは不思議だ
夜6時に仕事が終わって
私の頭の片隅から声がする
「おい、お前ら、お前らは今からなんにでもなれる」
高校の国語教師の言葉だ
威圧的なものいいだけど、教育熱心な人だった
確かに、私は今からなんにでもなれる
少なく見積もって就寝する12時まで
5時間の時間がある

5時間、5時間あれば、なんだってできる

だけど、なぜか私は会社の最寄駅のサイゼリアに足を運んで、だらだらとワインを飲んでしまったり

私はイタリアに行ったことがある
行ったことがあるけど

サイゼリアはイタリアに遠く及ばない
サイゼリアは悪くないけど

でもなぜか君に会う週末は
いつだって矢継ぎ早に時間が過ぎていく
いつも平常でいることを心がけてるのに
いつだって笑顔が溢れてしまう

だけどまた週が始まると
私はサイゼリアに足を運ぶ
酩酊し電車の中でいつの間にかぐっすり寝ていた
家に着いたら夜の10時だった
私は酔っ払って時計をベッドに投げつけた
ついでに携帯電話もベッドに投げ捨て
そのすぐ隣にある机におもむろに座って
パソコンを開いた
12時を回るまでに寝ないと
痩せない
肌が荒れる
明日の仕事に支障をきたす
頭の中で聞こえてくるそんな誰かの声が
いつの間にか気にならなくなっていた
2時間後、ラインの通知に気づいた
そろそろ寝よう
実際、これだけ寝れれば十分だ

明日帰りしなにサイゼリアに行くかどうかは
また明日考えよう

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